集団語
集団語とは、民族語と国語、それにその方言の内部にあって、特定の社会集団、それに職業・スポーツ・学問・政治・芸術などさまざまな社会の専門分野が使用する、その社会集団や社会の専門分野に特有なことばのことである。ないしは、特有とまではいえないにしても、特徴的なことばのことである。
語の成立の契機からの分類:
集団語
B. 非隠語
集団語:
犯罪用語、不良用語など
職業的集団の語
若者集団の語
若者語、キャンパス用語
この分類は集団の種類に基づいている。各集団語には、隠語と非隠語とがある。
隠語とは、社会集団が内部の秘密保持のために内部の人間だけがわかるように造った言葉
例えば「商い」
反社会的集団である盗人の隠語
意味は盗むこと
まっとうな商売のことではない
「盗み」と言えば、外部の人間に聞かれて具合が悪いため、言い換えて「商い」と内部の人間だけ通じることばを使っている
造語の契機もその使用も、秘密保持のため。だから純粋に隠語。 一方で、契機も使用も秘密保持のためとは限らない例もある
囚人間の語
刑務所の食事に出る豚肉とジャガイモの煮付けのこと。 造語の契機は秘密保持のためであったと思われるが、今では単にしゃれっけのある言い方にすぎない
隠語ではなくなっている。
「商い」が元来の狭義の隠語とするなら、「楽隊」は隠す意図が消えた、一般社会に通じることばではない、別の言い換え語という意味で、広義に隠語と言える
隠語はその性格から反社会的集団に多く見られるが、そうでない反社会的集団にも見られる
社会的集団とは、職業的集団・趣味娯楽集団・若者集団
例えば、職業的集団のデパートの店員間でトイレに行くことを「えんぽう」「さんさん」「しんかく」「じんきゅう」などと言う。
客に何をいっているのかわからないようにしているデパートの隠語 職業的集団の語は、業界用語(または職業語)と職場語に分かれる
専門語とは、あることを表すのに正式な語として決まっていることばを指す。
同氏による集団語が生まれる原因分析
隠語と非隠語とで生まれる原因が異なる
隠語は、隠蔽のために生まれる
秘密を保持するために。または、人に聞かれては具合の悪いことを隠すために。
例えば、僧侶が酒を「般若湯」、スチュワーデス(米川の原文ママ)がうるさい客を「UUU」と言う 非隠語の職業語(業界用語)は、業務効率化のために生まれる
この縁起をかつぐ、忌むことが集団語が生まれる要因の一つ
非隠語の若者語は、第一に会話の娯楽のために生まれた。 既存の陳腐なことばを嫌い、新奇なことばを造り、それを使って会話を盛り上げるために造られた
そのほか、連帯のためや、言いたいことを和らげる緩衝、嫌な感情を発散させ無くそうとする浄化なども原因と言える 同氏による集団語の特徴分析
各集団ごとに語の志向が異なっている
犯罪者は秘密保持のために隠語志向
旅行業界は仕事の効率化志向
官庁は曖昧化志向
この特徴ゆえに、ことばの伝達機能以外に、隠蔽機能・娯楽機能・連帯機能・浄化機能が強まる
同義語が多い
ヨソ者にわからない
一般語のように皆に通じる必要がないため、当然、狭い範囲にのみ通じることばが多くなる
このヨソ者にわからないことばをヨソ者が知って使用すると通ぶることができる
古くからある集団は、和語や漢語を用いることが非常に多いことと対照的
(専門語を除いて)俗語に多く属する
個人の使用意識において、また別に正式な言い方があると言うことにおいても、さらにまた使用する場においても俗語と言える