赤の他人
※浄瑠璃・道中評判敵討(1702)「わらはがなさけの道をすて夫婦のえんをきるからは、あかのたにんになったぞゑ」
「赤」は名詞の上に付くことで強調として使われ、「全くの」「すっかり」「明らかな」などの意味を持つ「赤」である。 そこから、全くの他人のことを「赤の他人」と言うようになった。
赤の他人の語源には、仏前に供える浄水「関伽(あか)」「阿伽(あか)」を語源とし、「水のように冷たい」の意味から「他人にも冷たい」、さらに「全く縁のない他人」といった意味に転じたとする説もある。
しかし、「赤」を強調の意味で使う言葉は他にも多くあり、「赤の他人」のみ異なる語源とは考え難い。
また、仏前に供える浄水から転じる過程も強引であることから、「あか」の音を持つ言葉を探して作られた俗説と思われる。