衒学
学を衒(てら)うこと
又はその物言い
特に内容のない事項について、さも重要であるかのように見せ、さらに発言者自身が重要性を有するように見せる技法の一つ
一般には「的」と結合し、形容動詞として用いられる
僕の書いたものは抒情的な処もあれば、小さい物語めいた処もあれば、考証らしい処もあった。今ならば人が小説だと云って評したのだろう。小説だと勝手に極めて、それから雑報にも劣っていると云ったのだろう。情熱という語はまだ無かったが、有ったら情熱が無いとも云ったのだろう。衒学なんという語もまだ流行らなかったが、流行っていたらこの場合に使われたのだろう。(森鴎外『ヰタ・セクスアリス』)