米の倍増し
秀吉が「何でも好きな褒美をやる」というと、新左衛門は「この広間の畳に、端の方から一畳目は米一粒、二畳目は二倍の二粒、三畳目はその倍の四粒、というように、二倍、二倍と米を置き、広間の百畳分全部いただきたい」と言った。秀吉はせいぜい米俵一俵か二俵くらいだと思い承知した。ところがあとで計算したところ、四畳までで十五粒、八畳で二百五十五粒、十六畳でも米一升(四万六千粒)くらいであるが、三十二畳で千八百俵、百畳ともなると5.5×1023俵という膨大な量になることがわかった。秀吉は青くなり、新左衛門に謝ってほうびを別のものに替えてもらったという。