生きる力
ふんわりとした言葉に聞こえるが、文部科学省による定義が存在する行政用語である。mgn901.icon 我々はこれからの子供たちに必要となるのは、いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力であり、また、自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性であると考えた。たくましく生きるための健康や体力が不可欠であることは言うまでもない。我々は、こうした資質や能力を、変化の激しいこれからの社会を[生きる力]と称することとし、これらをバランスよくはぐくんでいくことが重要であると考えた。
修飾が多いので箇条書きにして整理する基素.icon
「 我々」が必要となると考えたもの
自分で課題を見つけ....問題を解決する資質や能力
自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など
この「資質や能力」を生きる力という
「豊かな人間性」には資質や能力とは書いてないけどこっちにもかかってるのかな?基素.icon
文部科学省の文書では「人間性」も「資質・能力」の一部としてみなしています。mgn901.icon
なるほど基素.icon
[生きる力]は、全人的な力であり、幅広く様々な観点から敷衍することができる。
まず、[生きる力]は、これからの変化の激しい社会において、いかなる場面でも他人と協調しつつ自律的に社会生活を送っていくために必要となる、人間としての実践的な力である。それは、紙の上だけの知識でなく、生きていくための「知恵」とも言うべきものであり、我々の文化や社会についての知識を基礎にしつつ、社会生活において実際に生かされるものでなければならない。 生きる力の定義は何度か中教審答申に明記されているが、概ね上の内容を要約したものである。
このため「生きる力」をより具体化し,教育課程全体を通して育成を目指す資質・能力を,ア「何を理解しているか,何ができるか(生きて働く「知識・技能」の習得)」,イ「理解していること・できることをどう使うか(未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成)」,ウ「どのように社会・世界と関わり,よりよい人生を送るか(学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」の涵かん養)」の三つの柱に整理するとともに,各教科等の目標や内容についても,この三つの柱に基づく再整理を図るよう提言がなされた。
○ 「資質」「能力」について、例えば、教育基本法第5条第2項では、義務教育の目的として、「各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うこと」とされている。
○ ここで、「資質」とは、「能力や態度、性質などを総称するものであり、教育は、先天的な資質を更に向上させることと、一定の資質を後天的に身につけさせるという両方の観点をもつものである」(注)とされており、「資質」は「能力」を含む広い概念として捉えられている。また、学習指導要領では、例えば、総合的な学習の時間の目標として、「自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育成する」こととされている。
○ これらも踏まえ、本検討会では、「資質」と「能力」の相違に留意しつつも、行政用語として便宜上「資質・能力」として一体的に捉えた上で、これからの時代を生きる個人に求められる資質・能力の全体像やその構造の大枠を明らかにすることを目指すこととした。
(注)田中壮一郎監修『逐条解説 改正教育基本法』第一法規株式会社、2007年、p.33参照。
TL;DR
資質=能力や態度、性質などを総称するもの
つまり、能力⊂資質
したがって、資質と能力は別のものであるが、教育が育成するべき対象として一体的に捉えられている。
上のことから「資質・能力」は「学力」とも異なることがわかる。mgn901.icon 「学力⊂資質・能力」だから。
行政用語であることを忘れて論じがち・論じられがちなので、注意が必要である。mgn901.icon 教育行政用語、教育学用語は専門用語っぽくない専門用語であることがありがち。mgn901.icon
一般的な用語が教育行政・教育学に入ってくると、意味が細かくなったり変わったりすることもありがち。mgn901.icon