汝が性のつたなきをなけ
松尾芭蕉
の
野ざらし紀行
の
富士川
のくだり
富士川の辺に。三ツばかりなる
捨子
の哀れげに泣くあり。この川の早瀬にかけて。浮世の波をしのぐにたへず。露ばかりの命まつ間と捨置けん。小萩がもとの秋の風。今宵や散るらん。明日やしをれんと。袂より喰ものなげて通るに。
猿を聞く人すて子に秋の風いかに
いかにぞや汝父ににくまれたるか。母にうとまれたるか。父は汝を悪むにあらじ。母は汝をうとむにあらじ。
只是天にして、汝が性のつたなきをなけ
。
紀行文集. 続 - 国立国会図書館デジタルコレクション
小萩がもとの秋の風
源氏物語の
桐壺
巻、「
宮城野の露吹きむすぶ風の音に小萩がもとを思ひこそやれ
」を引くか?
三歳の幼児を(食べ物こそ投げやるものの)見捨てて通る芭蕉
今日の人道感覚とは異なっている
フィクションかもしれない
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