新古今和歌集の諸本
伝本は,撰集段階を反映して,第1類元久2年原撰本系統,第2類定家家隆書写本系統,第3類建保4年家長浄書本系統,第4類隠岐撰抄本系統の4種が想定されるが,第2類のほか純粋本文が伝存せず,現存伝本も種々の混態を示す。通常,第3類本文の復元を目標に校定される。
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切継終了以前から書写が行われていた本が流布本系統
伝本
『新古今和歌集』の伝本については、その成立において長い期間にわたり改訂が施され、その途中の手控え本というべきものも書写されたことにより複数の系統がある。現在一般には、以下のように4つに分かれるとされている。
第一類 - 元久2年3月にいったん完成したとして奏覧されたもの。「竟宴本」と呼ばれる。
第二類 - 「竟宴本」をさらに「切り継ぎ」し、和歌を取捨する途中作業の本文を伝えるもの。
第三類 - 建保4年12月に「切り継ぎ」が終了したときの本文。
第四類 - 後鳥羽院が撰んだ「隠岐本」。仮名序の次に撰集し直した事情を語る後鳥羽院の序文(「隠岐本識語」)がある。
現在伝わっている伝本のほとんどは第二類本であり、現行で一般に読まれている本文もこれにあたる。ほかには第四類の上巻(巻第一から巻第十まで)が冷泉家時雨亭文庫に伝わる。このほかの系統の伝本については、第二類の伝本にある本文の校異によって内容が知られるのみで現存しない。第二類のおもな伝本としては以下のものがある。
寿本 - 京都女子大学所蔵。『新編国歌大観』底本。
小宮本 - 小宮富郎所蔵。『日本古典文学大系』(岩波書店)底本。
山崎宗艦筆本 - 筑波大学附属図書館所蔵。『日本古典文学全集』および『新編日本古典文学全集』(いずれも小学館)底本。
穂久邇文庫蔵本 - 穂久邇文庫所蔵。『岩波文庫』(1929年初版、岩波書店)底本。
伝冷泉為相筆本 - 国立歴史民俗博物館所蔵。『新日本古典文学大系』(岩波書店)底本。
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