外部脳
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外部脳とは?
脳の機能の一部を生身の脳の外で行うシステム
これによって生身の脳を含めたシステム全体としての知的生産能力を向上させる
思考は脳の中だけで行われるものではない
例えば川喜田二郎による知的生産術「KJ法」の一種「考える花火」
思ったことを小さな紙切れに書き出して空間的に配置していくことによって脳の外で思考する
この方法論によって生身の脳が保持できる短期記憶の少なさを克服できる
記憶と連想のストック
書籍や記事よりも細かい単位の断片
梅棹 忠夫が知的生産の技術で紹介した情報カードは著述家が執筆の前に書籍よりも細かい単位の断片をストックするために使う
/nishio/情報カード.icon
彼に限らず多くの著述家が似たような仕組みを使ってきた、例: ツェッテルカステン
かつてそれは紙に書かれていて、個人の書斎に置かれていた
最終的な著作物ではなく、それを作り出す段階で本人の知的生産を手助けするためのものだった
なので、本人しかそれを見ることができなかった
ごく一部が遺稿の整理などの形で断片的なまま出版された: 断片的書き物
これは西尾泰和が自分の知的生産に使っている情報カードだとも解釈できる
2024年現在、20000枚のカードがある
公開しない理由がない限り情報は公開されるべきであるという思想で公開されている
紙のカードと比べて、デジタルであることによるメリットがある
断片の間のリンクを作りやすくたどりやすい仕組み
この外部脳の構築の土台となったScrapboxでは、その仕組みが工夫されていた
リンクを使って情報を構造化する仕組みによって知識のネットワークが表現される
予期せずリンクがつながることや、Scrapboxのリンクサジェストが便利なことによりリンクの形成が促進される
リンクの形成や、2-hop linkによって、同じ物について考える他のページを発見できる
似たものを比較することで新たな学びがある
思考の解像度を高める
思考の間のリンクは連想や脱線
これが脳の中だけで行われるのではなく連想のストックとして外部化されることに意味がある
脳の中に留めず外部化すると、それに対してコンピューターなどの外部の仕組みがインタラクトできる
これは今後LLMが発展していく状況で重要なことだと考えている