児のそら寝
ちごのそらね
教科書でよく出る
「や、な起こし奉りそ」のやつRR.icon
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12番めの話
左ページ2行目上からスタート
下の引用は写本を翻刻したもの。適宜句読点と鉤括弧を加えたcFQ2f7LRuLYP.icon
これも今はむかし、比叡の山にちごありけり。
これも今は昔のこと、比叡山の寺に稚児がいた。
僧たちよひのつれづれに、「いざかひもちいせん」
僧たちが夜の退屈しのぎに「よし、かいもちをしよう」
この頃(1221年頃)だと餅米や粳米などの「粉を練って餅にしたもの」と解されているみたいですcFQ2f7LRuLYP.icon
他の辞書では小麦粉やら片栗粉やらで作ったとも解釈されている
そばがきのことも「かいもち」と言うらしい(方言?) 鳥取県東部で確認されているみたいです(日本国語大辞典)
かきもちと関係あるのかないのか…nishio.icon よく作るやつだ、親近感RR.icon
片栗粉とか小麦粉にきなことか混ぜる
ぼたもちやおはぎの類をもいう、と新潮日本古典集成の頭注にある かいもちする=作って食べること?
といひけるを、このちご心よせにききけり。さり
と言ったのを、この稚児は期待して聞いた。
とて、くいださんをまちてねざらんもわろかり
しかし、食べ出すのを待って寝ないのもよくない
なんと思てかたかたによりてねたるよしにて
だろうと思って片隅に寄って寝ているふりで
出くるをまちけるに、すでにしいだしたる
餅が出てくるのを待ったところ、すぐにかいもちしだした
かいもちしだした←かわいいcFQ2f7LRuLYP.icon
さまにてひしめきあひたり。このちごさだめ
様子でひしめきあっていた。この稚児は、きっと僧たちが自分を
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ておどろかさんずらんとまちゐたるに、僧の
起こすだろうと待っていたところ、僧が
「物申さぶらはん、おどろかせ給へ」といふをうれしと
「物申し上げましょう、お目覚めになってくださいませ」と言うのを嬉しいと
「言葉をかけましょう、起こしなさい」な気もしてきた
「おどろかす」は起こす?
おどろか/す で尊敬の「す」?使役?
おどろかすで他サ行四段活用
米沢本沙石集〔1283〕八・一「唄ひく程に、例の眠りけるを、唄をはりて、そばなる僧驚しければ」
他人の指図によって誰かが起きる感じ
物/申/さぶらは/ん ?
「申す」の送り仮名「す」が抜けている感じcFQ2f7LRuLYP.icon
「む」は意思や勧誘の助動詞
物申しあげましょう、お目覚めになってくださいませ
はおもへども、ただ一どにいらへんも待けるかとも
思ったが、たった1回目に答えるのも、待っていたのかとでも
ぞおもふとて、いま一こゑよばれていらへんと念
僧たちが思う、もう一声呼ばれてから答えようと我慢して
じてねたるほどに「や、なおこしたてまつりそ。おさ
寝ていると「おい、起こし申し上げるな。
なき人はね入給にけり。」といふこゑのしければ、
幼い人は寝なさった。」と言う声がしたので、
あなわびしと思ていま一どおこせかしとおもひ
ああつらいと思ってもうひと声起こしてよ、と思って
ねにきけば、ひしひしとただくひにくふをとのし
寝て聞いていると、ひしひしとめっちゃ食べる音がしたので、
ければ、すべなくて、むごの後に「えい」といらへり
どうしようもなくて、長い時間が経ってから「はい」と答えた
むご:無期:長い時間
ければ、僧達わらふことかぎりなし。
ので、僧たちはめっちゃ笑った。
(終わり)
がんばって現代語訳してみようRR.icon
してみた↑
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わーいRR.icon