傾聴
傾聴(積極的傾聴/アクティブリスニング)とは、相手の話に関心を持ち、共感を示しながら真摯な姿勢で「聴く」会話の技術です。もともと心理学の世界で使われてきた言葉でしたが、近年では信頼関係構築につながる実践的なテクニックとして、ビジネスシーンにも応用されています。 アメリカの臨床心理学者で、カウンセリングの礎を築いたカール・ロジャーズは、傾聴時に聴き手が意識すべき3つの原則を提唱しました。
共感的理解とは、相手の気持ちや考え方を、相手の立場で共感・理解しようとすることです。「かわいそう」などと同情するのではなく、相手の気持ちに寄り添って話を聴く姿勢が重要です。聴き手の経験や価値観は交えず、まるで相手の世界に入り込んだかのように、話し手が見て、感じているものを理解します。
無条件の肯定的関心とは、相手をありのまま受け入れ、善悪や好き嫌いの判断をせずに聴くことです。話し手がどのような感情や考えを抱いていても否定せず、聴き手の価値観で評価を下すことなく、相手を肯定的に受容する状態です。なぜそう考えるに至ったのか、その「背景」に関心を持って聴きます。
自己一致とは、聴き手と話し手の双方に対し、真摯な態度で言葉の真意を把握することです。相手をありのまま受け入れるには、偽りのない自分自身を受容することが大切です。