令和6年能登半島地震調査報告会
2024年1月1日午後4時10分能登半島北部を震源とする大地震(M7.6)が発生しました.地盤工学会では発災直後から令和6年能登半島地震災害調査団(金沢大学 小林俊一団長)を立ち上げ,災害情報の収集を行ってきました.今回の地震では北陸4県(石川県,福井県,富山県,新潟県)にわたり深刻な被害が発生しています.本報告会は,発災から約2か月間の調査活動で得られた主に地盤にかかわる災害事例について,地盤工学的視点から報告します. https://www.youtube.com/watch?v=JuPk0s7zAUw
hikoukai
みてるtakker.icon
本地震の詳しい分析結果・特徴を知るにはこちらの報告会のほうが参考になる
14:00 開会の挨拶
被災地域のスケール
奥能登を中心に、福井県福井湖から新潟県まで被害が確認
これを東京中心に写すと、静岡市まで広がる
わかりやすめの図解があるtakker.icon
近年の地震活動
なので、群発地震が引き金になったというわけではなく、活動が活発になったと捉えられる(?)
最後聞き逃したtakker.icon
地震動挙動は、他の地震と比べて特段異なるところは少ない
そうなのかtakker.icon
以下、各震度計の波形を具体的に考察している
地震域の波形
黒矢印
解釈難しい
本震の最初の振動? by 気象庁
赤矢印
珠洲市の震央あたりの波形
緑矢印
輪島の南西で破壊が発生し、その波形が伝播した?
結果、珠洲市では赤のあとに緑が来たことで、40秒という長い揺れが発生した
特徴:周辺に顕著な被害がない
計測要因もあり、なんとも言えないとのこと
K-NET富来は良い地盤上に設置されている (丘陵)
気象庁志賀町富来は海岸沿いの平野に設置されている
大きな速度パルス
この部分が家屋に甚大な被害を与えたそうだ
周辺構造物に壊滅的な被害
先程と同様、気象庁輪島市鳳至町と比べると波形に違いが見られる
K-NETのは硬い地盤に設置
気象庁のは柔らかい地盤に設置
地盤が何らかの変形応答をした
同じく周期1-2秒で大きな加速度応答
同様に被害も甚大
被害が大きかったが、震度計なし
考察・議論はまだ
昨日のスライドも使っている
だいたい昨日と同じ話をしている
そうそうtakker.icon
少し時間が昨日よりあったので、実際の地すべりの現場の写真をいくつか紹介していた
簡易吹付けした背後地山がごっそり崩壊しているとことか
32名の液状化・側方流動部門の主査
以下、各市ごとに写真と地図をつけて被害状況をまとめている
今までわかっていた箇所でわかっていた被害が起きた
ここで液状化が起こるのは昔からわかっている
居住地誘導とかしているのかなtakker.icon もう住んでいる人の移住はとても難しい
特段新しいことはなし
鳥原地区で非常にゆるい勾配にも関わらず側方流動が発生 N値ほぼゼロ、地下水位もごく浅い、非常に軟弱な砂地盤 詰んでるtakker.icon
液状化しやすい土地で宅地開発した時点でアウト。guiltyすぎる
旧河道付近での被害はちょっとした噴砂のみだった
過去三回の液状化後の粒径加積曲線を比べると、細粒分が徐々に減っている 噴砂で流出してしまった
↓時間がなかったのでこのあたり飛ばされたtakker.icon
新潟での被害
まとめ
側方流動は液状化現象の一つだが、あまり事例はなかった(ので授業でもほぼお目にかからなかった)
今回は傾斜のついた砂地盤で多く発生した
側方が拘束されていない
そもそも地震動が大きく、大きな被害が発生しやすかった?
15:10 輪島市中心部での基礎構造物の被害 西岡英俊(主査、中央大学) 調査団基礎構造物部門が2024-02-03に調査した被害状況の報告
特徴的な話題だけを絞って抜き出している by 父takker.icon
豊田浩史さんのは全部入れてしまったので時間がなくなってしまった 調査範囲の地盤条件
多少液状化はあったが、新潟とかに比べると大きくない
何度も報道されたあのビルtakker.icon
https://www.youtube.com/watch?v=1zJUgo_vEHk
(web siteによると)地上7階地下1階
現地で地下室の存在は確認できなかった
基礎のコンクリート杭が途中で破断している
引き抜き抵抗力を負担できなかった
破断した杭の接合部の様子の説明
現地調査から図面を復元し、剛体回転を仮定したときの倒壊の様子を調べている
剛体回転による転倒では説明できない倒壊の仕方だった
左が引張破壊して右を軸に転倒したような形だが、それなら右端を支点に倒れるはず
ところが、右端がビルの半分くらい大きく左に移動している
なぜ?
調査団は2つのシナリオを今のところ推定している
調査対象:著しい沈下を示したビル
1977
基礎形式不明:おそらく杭基礎
数十cmも地中に埋もれている
そんなことあるのかtakker.icon
いまのところ、ここまで大きく沈下した理由は不明。
今後の調査が待たれる
その他の被害
いずれも過去の地震でも起きた被害
まとめ
↑は杭頭の破断などでは説明できない倒壊メカニズム
今後の調査が待たれる
15:30 休憩
調査団:盛土・擁壁・補強土部門
地下水位
2007年は崩壊後も比較的高かった
2007年の盛土復旧は効果を発揮した
沢部の高盛土で2007年に被災しなかったものは、今回多くが被災した
2007年地震後に本復旧した盛土は軽微な被災にとどまった
ガチガチに復旧させたっぽい
今回は軽微な沈下、路肩の傾斜程度にとどまった
しかし一つ向こうの以前壊れなかった盛土は思いっきり崩れてしまった
つまり、被災した盛土だけでなく、その周囲の被災していない盛土も併せて改良工事をしなければならないということか?takker.icon
コストが跳ね上がるぞ
とはいえ、それをしなかったから今回重要道路が寸断される事態になったわけでもあるだろうし、むずい
宅地被害の調査報告
明治の地図と比較して、干拓した部分や切土部を比較
かつてため池があったところに向かってクラック発生
液状化対策した宅地は無事
新潟市西区被害
さっきとかぶるので要点だけ
どの地区も、地下水位が-3mより深い箇所では液状化被害がほとんどなかった
2022-06にすでに道路にクラックがあった
兆候があったということ
造成履歴
1960に水田があった?
1973に宅地造成
こんなに古い履歴まで追うのは、一般人には無理だぞtakker.icon
旧地形図をみると谷地だった
ボーリング調査でN値がないことはわかっていたはず。そういうのを共有してほしい
システム情報系の人だtakker.icon
こういう人も地盤工学会にいるのか
ライフライン部門
上下水道・都市ガス・NTT通信
ライフライン被害の包括的把握
震度曝露人口に着目すると、過去の震度7地震それぞれで特徴が違う 停電・断水・都市ガス停止戸数と震度曝露人口との比較
一般的に相似する
復旧比較
今回の特徴
断水戸数>停電戸数
これは異例らしいtakker.icon
停止規模は小さい
人口少ないからねtakker.icon
断水解消ペースが異常に遅い
2ヶ月経過してまだ100%でない
過去の地震ではとっくに100%復旧している
なぜ断水戸数が減りにくい?
他の町はほぼ水平線。1ヶ月経過してもほとんど解消されていない
水道管など、配水インフラが破断して死んでいる
例:
ステンレス管を設置して、なんとか仮復旧した
中能登~七尾までの送水管の10箇所で空気弁が破壊
輪島中学校のグラウンドの崩壊に巻き込まれる形で、埋設された送水管と排水管が破断した
下水道拠点施設
2024-01-06時点で、停電で停止 or 被害不明
2024-01-12時点で被害がだんだんわかってくる
水処理施設破損
ケーブル破断
2024-01-16時点で、奥能登以外は稼働再開
下水道埋設管被害
今回は被害が拡大
浮き上がり
電力
水道と同様、復旧が比較的遅かった
配電設備の被害が膨大で、まだ全部把握できていない
都市ガス
供給被害はほとんどなし
なんでほとんどなかったんだろうtakker.icon
水道管より強い? or 多少歪んでもガスが漏れない?
気になったので調べてみたら、ポリエチレン管を使っているから地震に強いみたいHiro Aki.icon
2023年12月27日の記事になるけど、この数日後に地震が発生したと考えると妙な気分になる
調査ありがとうございますtakker.icon
なるほど~takker.icon
新潟市西区では地盤変状による被害あり
通信設備
沈下したり通信用マンホールが変状したり
16:40 閉会の挨拶 勝見武(副会長、京都大学)副団長 大塚さんに変更 おわりtakker.icon
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