ヤマタロウヤドリツノムシ
https://www.kagoshima-u.ac.jp/topics/20220817takosan00.jpg
肝属郡肝付町を流れる河川上流部から発見、報告されたヤマタロウヤドリツノムシ 体長約2 mmの成体 (左)
オレンジの部分は胃、消化管
タコ足とは反対側に吸盤があり、カニの体表にくっついている
大学院理工学研究科の上野 大輔准教授、塔筋 弘章准教授らの研究チームは、大隅半島の河川中上流域に生息する淡水産カニ類、モクズガニやミカゲサワガニに共生する珍しい扁形動物、截頭類(せっとうるい)の1種を発見、報告しました。本種は、東南アジアに分布する種に近縁な別種とみられ、新種である可能性が高く、標準和名はヤマタロウヤドリツノムシと命名されました。詳しい生態については、今後調査される予定です。本成果は英国の専門誌「Journal of Helminthology」のオンライン版にて、2022年8月1日付けで発表されました。 本種が最もよく付着しているのがモクズガニ
モクズガニは鹿児島県では「山太郎ガニ」の愛称で秋の味覚として親しまれており、和名はこれに因む ーー「ヤマタロウヤドリツノムシ」について教えて
上野准教授:
淡水性で、モクズガニやミカゲサワガニといった淡水産のカニと共生します。体表に付着し、カニの表面に付着した藻や小動物などを食べていると考えられます。大きさは、1~5ミリ程度までの大きさです。 ーー“たこ足”部分は何のためにあるの?
上野准教授:
体の前後で言うと、タコ足のある部分が前方で、触手ということになります。餌(小動物や植物プランクトンなど)を捕まえたり、歩く際に使用します。 ニュースの本文中には何の説明もないが、タイトルが明らかにタコピーを意識しているhatori.icon 黒い二つの点々(眼)がタコピーっぽさを醸し出している
子どもの弁当などで定番のタコの形をしたウインナーに姿がそっくりで、水質がきれいな川でのみ確認されていることから、上野准教授は「水質を評価する際の指標になる可能性も高い」と指摘しています。