モラトリアム
心理社会的モラトリアム :学生など社会に出て一人前の人間となるのを猶予されている状態を指す。心理学者エリク・H・エリクソンによって心理学に導入された概念。本来は、大人になるために必要であって、社会的にも認められた猶予期間を指す。大人への猶予期間、つまり社会に出ることを先延ばしして一時の自由に浸ることのできる期間という意味となった。若者にとって大学は勉学の場というよりも、遊びの場となる。そして、同好の仲間が集うサークルというのがその象徴であった。日本では、小此木啓吾の『モラトリアム人間の時代』(1978年)などの影響で、社会的に認められた期間を徒過したにもかかわらず猶予を求める状態を指して、否定的意味で用いられることが多い。