ポトラッチ
白人との交易が活発になると、先住民族社会の富の偏在が先鋭化し、また疫病の流行により部族内の重要な地位に空きができたことから18世紀後半から19世紀初めにかけてポトラッチのインフレーションが起こった。食料では、干物の他に砂糖や穀粉が分配されるようになり、毛布や金属製品、等価交換の媒体として用いられる装飾された金属、現金までが贈与された。等価交換の度が行き過ぎて、片方が貴重な品を破壊するともう片方もそれと同じ価値の品を破壊する、というふうに、分配された品物が受け取られた直後に破壊されることもあった。クヮクヮカワク族などでは社会的地位をめぐりポトラッチ開催の競争が起こった。