ホコトン
ホコトンとは、明治・大正期の日本の流行語で、矛盾(むじゅん)や間違っていることや辻褄が合わないことなどを意味する。衆議院本会議で議員の長谷川泰が矛盾をホコトンと発音したことから流行し、国語辞典や俗語辞典に掲載された。
無知による誤読とされることが多いものの、長谷川はユーモアとして故意に奇妙な読み方をして見せたのだろうと推測されている。
ちなみに長谷川泰(はせがわ たい/やすし)の綽名は「ドクトル・ベランメー」だったらしい(長谷川泰 - Wikipedia)
江戸ことば「べらんめえ」の語源は何か。 | レファレンス協同データベース
江戸言葉 - Wikipedia
惣郷正明・水野雅央・高島俊男は、長谷川が正しい読み方を知った上でユーモアとして故意におかしな読み方をして見せたのだろうと推測している。故意だとする根拠は以下の通りである。
長谷川は無学な人間ではなく、むしろ博学で、漢籍にも通じていたこと
同時に長谷川は奇行でも知られたこと
「盾」の音読みには呉音の「ジュン」と漢音の「トン」があるが、よく知られた「ジュン」ではなく珍しい読みの「トン」を採用していること
その一方で「矛」には訓読みの「ほこ」を当てており、「ホコトン」は湯桶読みのような不自然な読み方によって滑稽な響きとなっていること
長谷川が一回の発言の中で「ホコトン」という語を執拗に繰り返し、「ホコトンとは何の事だ」という野次が飛ぶと即座に「ホコトンと云うのは矛盾だ」と言い返していること
長谷川泰の「ホコトン」発言は上述のように明治25年(1892年)5月末のことであるが、「ホコトン」自体の用例はそれ以前から新聞雑誌に見受けられる。
ホコトン - Wikipedia
「ホコトン」のWikipedia記事はかなり充実しており面白いhatori.icon
長谷川泰の「ホコトン」以外の奇言奇行っぷりが気になる
孫引きになってしまうが、志村俊郎, 都倉武之, 長谷川泰と慶応義塾 ―福沢諭吉との接点を中心に―, 日本医史学雑誌 第59巻第4号(2013)469–485に掲載されている慶応義塾出身名流列伝の長谷川泰のページによると、氏は(当選後?)最初の議会において「文部省転覆演説」をしたらしい。どういうこと...?
奇言をまとめた(?)本もあるようだ
長谷川泰翁奇人の奇言(長谷川泰遺 稿 ; 佐藤独嘯 編) / 古本、中古本、古書籍の通販は「日本の古本屋」
関連項目
百姓読み、慣用読み
似ている単語
ホコ天(ホコテン、歩行者天国)
ポコペン(ポコペン - Wikipedia)
ペコポン(=地球。漫画/アニメ「ケロロ軍曹」の作中用語)