ダイナブック構想
ダイナブック構想とは
(ダイナブックコウソウ,ダイナブック,Dynabook concept,Dynabook,)
ダイナブック構想とは、米国のコンピュータ科学者であるアラン・ケイ(Alan Kay)が提唱した理想のコンピュータ像である。 理想のコンピュータとは、「対話型インターフェース(GUI)を搭載し、 片手でも持ち運びが可能であり、
低価格なパーソナルコンピュータ」
と想定され、
ダイナミック(dynamic)なパーソナルメディアであり、
本のようなものであるということから、
ダイナブック(Dynabook)と名付けられたとされる。
ダイナブックはあくまで構想であったが、XEROXのパロアルト研究所(PARC)において具現化する試みがなされ、
GUIベースのOSを搭載したコンピュータ環境「Alto」が生み出された。 Altoはその当時で可能な技術を用いて構築されたものであり、
理想とは言えなかったために
「暫定ダイナブック」(Interim Dynabook)と呼ばれた。
暫定ダイナブックにおけるソフトウェア環境はSmalltalkで構築されている。
なお、暫定ダイナブックは製品化に至らなかったが、
スティーブ・ジョブズが影響を受け、
その後、アップルコンピュータのMacintoshの誕生のきっかけとなったという逸話が知られている。
ちなみに、東芝のノートパソコンであるダイナブック(dynabook)は、
アラン・ケイのダイナブックを意識したとされているが、直接関係はない。
また、ダイナブック構想で想定されたパーソナルコンピュータという言葉は、現代のパーソナルコンピュータを指しているわけではない。