ストローク
「ストローク(Stroke)」とは、人とのコミュニケーションから得られる精神的な刺激のことをいいます。心理学用語の一つで、カナダの精神科医であるエリック・バーン氏が提唱しました。ストロークには種類があり、人から示される関心や刺激が肉体的なものか心理的なものかによって、「肉体的ストローク(タッチストローク)」と「心理的ストローク」とに分けられます。さらに、その内容を受け手がどう感じるかによって「肯定的ストローク」と「否定的ストローク」に分類されます。
ストロークは、英語の stroke 意味の一つである「撫でる」 という言葉から来ています。小さな頃、親から「ヨシヨシ」と撫でられた体験を持っている方は多いのではないでしょうか。「撫でる」という行為には、「かわいらしい子だ」というような「相手の存在自体への肯定感」があると考えられています。
バーンはこのような身体的接触は、子供が生き延びていく上で極めて重要と考えました(佐野,2015)2。それがゆえに子供は、大人にかまってもらおうとします。 そして、年を取るにつれて、身体的な触れ合いが減る一方で、コミュニケーションにおける承認欲求を得たいと思うようになります。そうして、お互いの肯定する、存在する、様々なコミュニケーションをしていきます。このように「撫でる」という語源から転じた「他者の存在を認識する全ての行為」すなわち「人と関わるという行為全般」を「ストローク」と呼ぶのです。
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交流分析におけるストロークとは?
交流分析における「ストローク」とは、他者から認識され、承認されることを意味します。ストロークは人間の心理的な欲求であり、ポジティブなものもネガティブなものも存在します。ポジティブなストロークは、賞賛や承認、愛情などの形で表れ、相手に心地よい感情を与えます。逆に、ネガティブなストロークは批判や無視、不承認といった形で表れ、相手に不快な感情を引き起こすことがあります。
ストロークは、個人の自己認識や自己価値感に影響を与えるため、交流分析では非常に重要な要素とされています。日常的な対人関係において、どのようなストロークを与え受け取るかが、関係の質や深さに影響を及ぼすと考えられています。
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元の論文名は?
交流分析における「ストローク」についての概念は、エリック・バーンによって提唱された交流分析(Transactional Analysis)の理論の一部です。ただし、具体的に「ストローク」という概念が議論されている元の論文名は明記されていません。エリック・バーンは交流分析を1950年代に提唱し、その基本的な考え方をいくつかの著作に展開しています。交流分析の理論を包括的に説明した著作の一つに、バーンの「Games People Play(邦題:人間関係の心理学)」があります。ストロークの概念は、後の交流分析の発展の中で取り入れられ、具体的に説明されるようになりました。