コモンプレイスブック
commonplace book
決まり文句の本
備忘録という訳語
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西洋には、読んだ本などから抜き出した言葉を一冊にまとめていく、コモンプレイスブックという伝統がある。古代より始められ、ルネサンス期以降、学者や作家の間で盛んとなり、後には一般の人達の間にも広がり、十九世紀には嫁入り道具のひとつにすらなった。コモンプレイスcommonplaceとは、ラテン語のlocus commūnisの英訳で、「一般的な、共通のトピック(話題)」という意味であり、再利用のために、出会った言葉からこれといったものを抜書きし、まとめたものがコモンプレイスブックである。言葉が思考に形を与えるものである以上、言葉を自家薬籠中のものとする抜書きという習慣は、あらゆる知的営為を根底で支えるものである。文献をただ読み流す以上のことを、自分の身体により深く刻み込むための知的訓練を、経験している。昭和の作家志願者ならば志賀直哉の短編小説「城の崎にて」を筆写したかもしれない。知的生産ブームにインパクトを受けた者なら、出会った情報や自身の思いつきを「京大式カード」に書き貯めたかもしれない。出会った言葉をそのまま受け流さず、自らの手で書き留めること。そうしてこれを倦まず弛まず続けて習慣とし、自分だけの知的財産を作り上げること。 彼は備忘録の内容をアルファベット順に並べ、情報を検索しやすくしていた。コモンプレイス・ブックが登場するのは「サセックスの吸血鬼」「空家の冒険」「技師の親指」。空家の冒険では人名録として登場。ホームズは時間ができると、コモンプレイス・ブックに「相互参照索引クロス・インデックス」をつけていた。
2023年にほぼ日手帳week(小さいやつ)で評判になった how i use my notebooks | hobonichi avec, commonplace ✸ - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=T_S7Uiy03pw
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読書のあと読みたいものリスト
検索するとscrapboxのページがかかってくるのうれしいですね
日本英文学会
アーサー王子とハムレット王子の「記憶の中のテーブル・ブック」
『妖精の女王』第一巻及び『ハムレット』に見る初期近代コモンプレイス学習法
早稲田大学
「ロキ・コムーネス」教育とコモンプレイスブックの出現
これは前のページにもらってたコメント
寺山修司のポケットに名言をも(再利用を問題にはしてなかったと思うが)抜書きだった cFQ2f7LRuLYP.icon