クマムシ
緩歩動物(かんぽどうぶつ、Tardigrade)は、緩歩動物門(Tardigrada)に属する動物の総称である。4対8本のずんぐりとした脚でゆっくり歩く姿から緩歩動物、また形がクマに似ていることからクマムシ(熊虫、Water bear)と呼ばれている。また、以下に述べるように非常に強い耐久性を持つことからチョウメイムシ(長命虫)と言われたこともある。緩歩動物の最初の化石は、カンブリア紀の岩石から見つかっている。 肉眼では確認しにくい微小な動物であり、熱帯から極地方、超深海底から高山、温泉の中まで、海洋・陸水・陸上のほとんどありとあらゆる環境に生息する。堆積物中の有機物に富む液体や、動物や植物の体液(細胞液)を吸入して食物としている。 およそ1000種以上(うち海産のものは170種あまり)が知られている。
陸上性の種の多くは蘚苔類などの隙間におり、半ば水中的な環境で生活している。樹上や枝先のコケなどにも棲んでいる。これらの乾燥しやすい環境のものは、乾燥時には後述のクリプトビオシスの状態で耐え、水分が得られたときのみ生活していると考えられる。 クリプトビオシス
一部の緩歩動物は、乾眠(かんみん)によって環境に対する絶大な抵抗力を持つ。乾眠(anhydrobiosis)はクリプトビオシスの一例で、無代謝の休眠状態である。この現象が「一旦死んだものが蘇生している」のか、それとも「死んでいるように見える」だけなのかについて、長い論争があった。現在ではこのような状態を、クリプトビオシス(cryptobiosis '隠された生命活動'の意)と呼ぶようになり、「死んでいるように見える」だけであることが分かっている。 耐性
クマムシは非常に大きな耐性強度を持つことで知られている。ただしそれは他の多細胞生物と比較した場合の話であり、単細胞生物では芽胞を作ることにより、さらに過酷な環境に耐えることができるものもいる。
乾燥 : 通常は体重の85%をしめる水分を3%以下まで減らし、極度の乾燥状態にも耐える。
温度 : 100 °Cの高温から、ほぼ絶対零度(0.0075ケルビン)の極低温まで耐える。
圧力 : 真空から7万5000気圧の高圧まで耐える。
放射線 : 高線量の紫外線、X線、ガンマ線等の放射線に耐える。X線の半致死線量は3000-5000グレイ(ヒトの半致死線量は4グレイ)。
射出 : 拳銃弾より速いスピードでの射出に耐える。
強力な耐性ながら寿命は半年だが、クマムシは乾眠状態になると長期の生存が可能である。例えば、ある博物館に保管されていた130年前のコケに水をかけると、ひからびた樽状のクマムシがもとに戻ったという記録もある。
https://gyazo.com/f20a20e0210ae71b6082861e1525299d
生物にあるまじき絶大な耐性を持つという点があるからか、絶大な耐性を持つキャラをゲームで登場させるときに、クマムシのようなデザインが採用されやすい、気がするHiro Aki.icon
乾眠ではない時は死ぬし、乾眠状態に至るまでに無理があると死ぬし、放射線を浴びると生殖機能が無くなったりするのか(生きている≠ノーダメージ)基素.icon