まれびと
まれびと、マレビト(稀人・客人)は、時を定めて他界から来訪する霊的もしくは神の本質的存在を定義する折口学の用語。折口信夫の思想体系を考える上でもっとも重要な鍵概念の一つであり、日本人の信仰・他界観念を探るための手がかりとして民俗学上重視される。まろうどとも。 沖縄におけるフィールド・ワークが、まれびと概念の発想の契機 毎年定期的に常世から祖霊がやってきて、人々を祝福してくれるという信仰
柳田國男(やなぎたくにお)は山から麓へと去来する神に祖霊の影を見出し(柳田、1990)、折口信夫(おりくちしのぶ)は季節の変わり目に異界から来訪する神を「まれびと」と命名した(折口、2003)。 柳田國男や折口信夫によれば、日本の神の古態は一定の地に常住することなく、折々に出現しては祭祀を受ける来訪神だった。それが終わればまた本来の居場所に帰還す ると考えられていたのである。