あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る
あかねさす 紫野(むらさきの)行き 標野(しめの)行き 野守(のもり)は見ずや 君が袖振る
額田王(ぬかたのおおきみ)は飛鳥時代の歌人です。大海人皇子(のちの天武天皇)と結婚をして子どもをもうけていましたが、この歌を詠んだときには、大海人皇子とは別れて、天智天皇(大化の改新で有名な中大兄皇子。大海人皇子のお兄さん)と恋人関係にありました。
宴会の席で額田王は、大海人皇子との昔の関係をネタにして1句詠んだのです。
今は天智天皇と付き合っているけれど、大海人皇子は、実はまだ私に気があって、彼は袖を振って好きだと伝えてくるわ。そんなあちこちで袖を振っていたら、見張りの人がこれをみて、秘めた恋がばれてしまうじゃないの。
万葉集『あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る』わかりやすい現代語訳・解説と品詞分解 / 古文 by 走るメロス |マナペディア|
元彼との関係を歌うなよ...nishio.icon
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from 額田王 to 大海人皇子
「あかねさす紫野(むらさきの)行き標野(しめの)行き野守(のもり)は見ずや君が袖振る」(あかね色をおびる、あの紫の草の野を行き、その御料地の野を行きながら、―野の番人は見ていないでしょうか。あなたは袖をお振りになることよ。)と詠んでいます。
袖振る