『荘子』の庖丁のエピソード
庖丁は料理の達人でナイフ一つでズバズバ肉を切り出す 王様(文恵君)が「どんな秘訣があるんです?」と聞くと…(あとでかく)その技を褒めると庖丁が答える 始めは牛は牛にしか見えず、どうして良いのかわからなかった
三年経ったら牛の部位が目に見えてきて刃の入れどころがわかるようになってきた
今はもう「神を以てこれを遇い、目を以て視ず」すなわち心で牛をとらえて目を頼りにせずに仕事するようになった
骨にも腱にも引っかけないので並の料理人とは比べ物にならないほどナイフが長持ちする
それでも切るときに筋や骨の集まるところでは難しさを感じる
視るために集中し、手の運びをゆるやかに、刃を細かく動かす
肉がどっさとはなれてようやくほっとする
文恵君曰く善い哉。吾れ庖丁の言を聞きて生を養うすべを得れり。とのことであった(内篇、養生主篇第三)