『後拾遺和歌集』
『後拾遺和歌集』(ごしゅういわかしゅう)は、八代集の第四番目の歌集で[1]、『拾遺集』の後継として編まれた勅撰和歌集である[1]。20巻[1]、総歌数は1218首(新編国歌大観本)。 勅命は白河天皇[1]、撰者は藤原通俊[1]。承保2年(1075年)奉勅[1]、応徳3年(1086年)9月16日完成[1]、同年10月奏覧された[1]。その後、更に改訂を加えて、応徳4年(1087年)2月に再奏され[1]、寛治元年8月に目録と序が奉献された[1]。当時、それほど歌人として名高いわけではない通俊が撰集に当たった理由は明らかではない[1]。 構成は『古今和歌集』を基とし、春(上・下)、夏、秋(上・下)、冬、賀、別、羇旅、哀傷、恋(四巻)、雑(六巻)からなる[1]。巻20(雑歌六)に収める「神祇」「釈教」の分類は勅撰集における初見である[1]。選歌範囲は『古今集』『後撰集』以後、村上朝から白河朝までの約130年間である。 この歌集は、絢爛たる王朝文化が衰退しはじめた頃、華やかなりし昔を振り返ったともいうべきものである[要出典]。収録歌は正統的な旧守派の和歌から新奇的な和歌まで幅広い[1]。和泉式部の激情がほとばしる恋歌から、赤染衛門の細やかな思い遣りの贈答歌、能因・良暹ら僧侶歌人の旅情豊かな歌、曾禰好忠の大胆で型破りの歌まで、その作者・作風ともに多種多様である。また詠歌背景を詳しく説明する長文の詞書が多く、散文的特色が指摘されている[要出典]。