「わからない」とうまく付き合いたい
「わからない」とうまく付き合いたい
結城浩.icon
ですから、現実をありのままに見るようにしています。まず現実を事実として押さえる。「わからない」なら「わからない」。ニュートラルな気持ちで押さえたら、まずはそこでストップします。それから深呼吸して仕切り直して、ではどうするかを考えるのです。
もういっぺん考えてみる。少し戻ってやり直してみる。別の角度からやってみる。本に「あとでやる」と印をつけて先に進む。別のことをする。どうせ選択肢はそんなところですから、どれかを選んで進みます。焦ってもしょうがないからです。
一番こわいのは、自分が「わからない」状態であること自体に気付かないケースです。「わからない」という事実を事実として受け止めるなら考えようはあります。でも、自分が「わからない」ことに気付かないなら対処のしようすらなくなってしまいますからね。
「わからない」を「わかったふり」に変えてしまうのは論外ですし、「わからない」を「だから自分はダメ」に変えてしまうのもよくありません。「わからない」という事実と「自分の良し悪し」という評価とを分けて考えることが大事なのです。