未だ知らざる歌を探しに 2023/7/11
from 2023/07/11
あらすじ:言及したことのある歌が多くなってきたcFQ2f7LRuLYP.icon
というわけで日本文学全集 近現代詩歌を取り出してよかったのを書いてみようcFQ2f7LRuLYP.icon
正岡子規
真砂なす数なき星の其中に吾に向ひて光る星あり(正岡子規、『竹の里歌』)
真砂ほどもある無数の星のうちで、自分に向け光る星がある
救いのある歌だcFQ2f7LRuLYP.icon
佐佐木信綱
幼きは幼きどちのものがたり葡萄のかげに月かたぶきぬ(佐佐木信綱、『思草』)
「月かたぶきぬ」は万葉由来だろうね
東(ひんがし)の野にかぎろひの立つ見えてかへりみすれば月かたぶきぬ(万葉集・48)
これは賀茂真淵が考案した「読み方」で、それ以前は別の読みがなされていた
「ひんがしの」というところの読みがいい感じ
一例として西本願寺本
https://gyazo.com/fb5277b7d32aff524834bd6efa226b7f
あづまののけぶりのたてるところみてかへりみすればつきかたぶきぬ
佐佐木信綱, 武田祐吉 編『万葉集 : 西本願寺本』巻1,竹柏会,昭和8. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1242401 (参照 2023-07-11)
原文だと「東野炎立所見而反見為者月西渡」
最近でも追及はまだまだ続いている
子供たちにしかわかんないお話
少女なれば諸頬につけし紅のいろも額の櫛も可愛しき埴輪(『瀬の音』)
あどけない女の子だろうか?頬に紅をさしているのも、額の櫛もどうも可愛らしく、かなしいようであるcFQ2f7LRuLYP.icon
原文では「$ \overset{かな}{可愛}しき」となっているらしい
埴輪がなんでここで出てくるのかよくわからないcFQ2f7LRuLYP.icon
与謝野鉄幹
われ男の子意気の子名の子つるぎの子詩の子恋の子あゝもだえの子(与謝野鉄幹、『紫』)
子づくし!
特徴をいろいろ言った果て、バラバラになって同居してるのを「もだえの子」と表現するのなかなか良いcFQ2f7LRuLYP.icon
輝やかにわが行くかたも恋ふる子の在るかたも指せ黄金日向葵(『毒草』)
最後は「こがねひぐるま」とよむらしい
まっすぐしてんなあ…cFQ2f7LRuLYP.icon
窪田空穂
雲よむかし初めてこゝの野に立ちて草刈りし人にかくも照りしか(『まひる野』)
「雲よ」でなんとなく天を向いてる気持ちがするcFQ2f7LRuLYP.icon
過去の時間がぐーっと迫ってくる感じがあるcFQ2f7LRuLYP.icon
今ここで草を刈る私と、かつてここの野に初めて立って草を刈った人が照る日の光で結びつけられてる