有機農業
有機農業(ゆうきのうぎょう、英語: organic farming、organic agriculture)は、化学肥料や農薬を用いない、農業の形態の一つ。有機農法、有機栽培、オーガニック農法などとも呼ばれる。化学肥料や農薬を用いた慣行農業と比較すると無農薬や有機農業は収穫量が減少し、同じ生産量のためにより多くの土地を必要とする。 国家的推進による惨事
スリランカでは、1960年代から合成肥料への補助金を支給しだしたことにより米を含む作物の収穫量が支給前の2倍以上になった。そのおかげで1970年代に国内が食糧不足となった際も収穫量が国内需要より有り余っていた茶やゴムの輸出で外貨を獲得し、他国から輸入することで乗り切ることができた。しかし、2019年のスリランカ大統領選で、10年以内に国内の全農業を有機農業に移行するという公約を掲げたゴタバヤ・ラジャパクサ大統領が当選した。彼は有機農業に否定的な国内の農業専門家や科学者らを政策決定の場から排除した代わりに、農業大臣や関連委員会に「Viyathmaga」という有機農業推進派市民団体のメンバーを任命した。そして、2021年4月に「化学肥料や農薬の輸入を禁止し、国内の農業をすべて有機農業へ転換する」という世界初の有機農業政策が実行された。 その結果、「有機農業は従来の農業に匹敵する収穫量を生み出せる」という有機農業推進派の主張に反し、開始半年後にはスリランカの主食である米の収穫量が20%減少、国内価格も50%も急騰した上に4億5000万ドル(約620億円)相当の米を輸入するという大失敗となった。そのため、2021年11月に政府は主要輸出物への化学肥料の使用を部分的に認め、2022年2月には主要輸出物の有機農業への移行を停止する事態となっている。
日本では有機農業について、農林水産省が定義している
我が国では、平成18年度に策定された「有機農業推進法※注1」において、有機農業を「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう。」と定義されています。
注1 有機農業の推進に関する法律(平成18年法律第112号)