大海の 磯もとどろに よする浪 われて砕けて 裂けて散るかも
源実朝の歌
斎藤茂吉が金槐集私鈔で「真に天然の無常相に観入した歌」と絶賛している
金槐集私鈔 - 国立国会図書館デジタルコレクション
感想cFQ2f7LRuLYP.icon
われて くだけて さけて ちるかも
下の句を構成するテ節が、エ音をくりかえす
われて くだけて さけて ちるかも
さけ「て」→「ち」る、この「て」から「ち」への音の入り方が好ましい
上の句にオ音が多いのと対照的
おほうみの いそもとどろに よするなみ
エ音が一つもない!
「われて」「さけて」は対句みたいになっているか?
最後「ちるかな」で外れる
割れる砕ける裂ける散る、どれもネガティブな語彙
これに実朝の短い生涯、最期を重ね合わせて見てしまっている
初二句までの「大海」・「とどろ」などとのギャップがある
海
表記揺れ
大海の、磯もとどろによする浪。われて砕けて裂けて散るかも……。