オッペンハイマーを今更見ました
from 2026/04/26
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オッペンハイマーを今更見ました
改めて原爆について興味を持った。
映画として
まずこの映画には一貫するモチーフがある、加速するように拍が短くなる効果音だ。
この効果音は核分裂反応が指数関数的に増幅される様子と、オッペンハイマー自身の複雑な感情に振り回される様子をかけ合わせたメタファーになっている。
この効果音は拍子木の序破急のように聞こえる
2つ目はグレースケールとフィルムカラーの対比だ
この映画は常に極端な相反する2つの要素が並行して描かれている。
例えば、商務長官のルイス・ストローズがメインとなる政治色の強い戦後のシーンはグレースケールであるのに対して、フィルムカラーで描かれるシーンは常にオッペンハイマーの主観的な視点で描かれている。
グレースケールは冷たく・残酷に客観的に語る、物語自体もオッペンハイマーにもルイス・ストローズにも味方しない。
フィルムカラーは極端にまでオッペンハイマーの主観や性的描写、そしてトリニティ実験、つまり彼の人生として語られており、科学者の物語でありながら焦点は技術そのものではなく技術に対するオッペンハイマー個人の内省にある。
グレースケール・フィルムカラーでトピックは核開発とその後の政治闘争と分けているだけでなく、あえてどちらもその中で主題とは正反対の視点で描かれるている。ただ単に2つの対比ではなくその対比の中でも対比がされているのでねじれている。
政治色が強い戦後こそ人間関係が渦巻くが、あえて客観的に淡々と語られる。そこには誰の視点にも寄ろうとしない。公聴会でオッペンハイマーもストローズも責め立てられる構図だ。
トリニティ実験を代表する核開発のシーンは、科学が中心にあるトピックだが、あえてオッペンハイマーの主観で語られている。不倫、共産主義、そして疑いの目を見けられるなかでの緊張感、科学者同士の感情的な振る舞い等、原子力を取り巻いてオッペンハイマーが翻弄される様子が描かれている。
「我は死なり、世界の破壊者なり」という言葉と核分裂反応のように指数関数的に拍数が増える音、オッペンハイマー自身の罪悪感・緊張感による鼓動、背景が一面一色になるほどの閃光、そこにオッペンハイマー自身の顔のシルエットのみが映る。