Q1_9
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| 昨日から既に、恐怖に包まれていて、その内容は、いま授かっている一人娘を突然失って、自分が苦しみ、その状況を乗り越える試練が今世に計画されているのではないかというものであった。
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| まずエゴが苦しむということを考えた。 エゴには苦しみを避けようとして、未来の保証を求めたり、否認したり、何か自分が安心できるものを探す動きがある。 「 主○○を信じていれば、必ず守ってくださる」 とか。
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| 私が修道僧であったときの間違ったところは何か、思慧をした。
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|「 神に」 「 何故」 と問うことなく「 すべてをゆだねる、任せきる」 という祈りこそが、その時そこに求められていたものでした」
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| このところの祈る対象がよく分からなかった。 当時修道僧であるなら、キリスト教の神とイエスに祈ることになるだろうが、今、私の理解では、エル・ランティ、エホバに向けて祈ることは、抵抗があるというか、してはいけないことと理解している。 それが祈る対象であれば、我々の祈りが搾取されているという不信感が生じてしまう。 イエスに対して、前世の私は怒ったのであろうか。 その点は、間違っていたに違いない。
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| エゴから来る、娘を失いたくないという恐怖をどうすればよいかと考え、自分の在り方を整えるしかない、祈りしかないと考えた。
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| 生かされている事への感謝の、この生かしていただいているエネルギーの源泉こそ「 すべてをゆだね、任せきる」 ことのできる対象だと気づいた。 娘を、家内を、生かしていただいていることへの感謝がこれまでなされていなかったし、親として、どうかもうしばらく、この子をお預かりさせてください、必ず立派な仏の子に育てますという思いが足りていなかった。 失いたくないというエゴばかりで、ポジティブな親としての大いなる愛、前向きで、健全な願いになっていなかった。 このあたりで、涙があふれ出てきた。
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| 五井先生に許しを請い、甘えさせていただき、慰めていただいた。 至らない私を包んでくださり、お褒め
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|いただいた。 涙が止まらない。
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| 私は、治療者としても、感じなければいけない苦痛を避けていたように思う。 大きな反省点が見つかった。 もっと、患者の苦悩、絶望に共感をするべきである。 一緒に苦しむべきである。 そして、何をすればいいかを見出し、それを伝え、させる努力を惜しまない。 うまくいかないケースがいくらあっても、投げ出さず、あきらめず、粘り強く、死ぬまでしつこくやる。 縁のあった人に対して、すべて。 過去にもさかのぼって。 日々、出会う、目の前の人を一人ずつ、丁寧に、もっともっと慈悲深く。
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| 前世の私が、そのときに、五井先生が見守ってくださっていることに気づくことができていたら、違っていただろう。 師との出会い。 有り難いご縁。
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|「 「 宇宙全史」 を読めばすべて解明できているはずなのですが、しかし読めてはいても中々「 腑に落ちていない」 という状態なのです」
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| ここが大変悔しくて気になる。 もっともっと読み込もう。
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|「 3月29日」
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| 瞑想の前、犬の散歩に行っていたときに、peak experience に包まれ、生かされている喜びを感じた。 そのときに、私は何に向かって祈ればいいのかということをまた考えていたら、突然腑に落ちて、「 私は仏陀に祈らせていただけるのだ、仏弟子にならせていただいたのだ、五井先生にも祈らせていただけるのだ、兄弟子でいて下さるのだ」 という思いで、涙があふれ出た。
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| 帰って、瞑想をはじめ、まず、自分の恐怖、前世のカルマに関して、ご指導をお願いした。
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| 前世は、やはり、貪、瞋、癡の心の三毒に加え、慢、疑、悪見、の六大煩悩がすべて出ている、執着の姿であった。 信じ切ることができなかった。 御心のままにと思えなかった。 自分がこれだけうやっているのだから、神は応えるべきだという驕慢な心があった。 その裏には、自分の在り方が間違っている、自分の実力が不足
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|しているということを認めたくない心があった。 自分に落ち度があることが恐く、それを人目に晒したくない、自分でも認めたくないという弱さがあった。 亡くなっていく子どもたちが、少しでも安らかに、亡くなった後の魂の平安を祈るということが出来ていなかった。 結果にとらわれ、それが出ないと、どうしようもない気持ちになる、弱々しい優等生でしかなかった。 偽善者であった。 自分の責任であると思えなかった。 この結果は自分の責任であると受け入れられなかった。 なぜこうなってしまったのだろう。
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| その前の前世をご教示いただきたいと願う。
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| 仏陀様、五井先生、申し訳ございませんでした。 実力不足でした。 反省し、立て直すことをお誓い申し上げます。
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| その後、娘を失うのではないかという恐怖について思慧した。 あれこれとあがく気持ちが生じた。 仏陀様も五井先生も、そんなことをされるはずがないだとか、これだけよく頑張っているのだから、ご褒美で勘弁してくださるのではないかとか、自分は運がよいからとか、それで悩むのはエネルギーの無駄遣いだから、その分患者さんたちのために使った方が絶対良いだとか、否認の心の動きがしばらくあり、その後、そういうことは今後、全く考えないように、というご指導を五井先生にいただいた。 これがエゴの作用、動きであろう。
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| 仏陀様と五井先生に気持ちを整えていただき( 大丈夫とよしよし)、感謝、ありがたさの気持ちで胸がいっぱいになり、涙が止まらなくなった。
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| もう全く考えず、全く恐れず、仏陀様と五井先生に祈ろう。
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| 娘の今世について、少し思慧をした。 子供を持つ親の気持ちを学ばせていただいている。 患者様のお役に立とう。
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| もう考えない。 もう恐れない。 忘れよう。 その都度、その都度、瞬間的に判断して、吟味して、エゴを見
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|極め、それは本心の自分ではないと切り離す生き方を身につけよう。
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| 長々と申し訳ありませんでした。 質問をさせていただきます。
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| 以上の瞑想での私の受け取り方に、間違い、甘さが多多あると思いますので、ご教示をお願いいたします。
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| 本文中にも書きましたが、前世、大変未熟で恥ずかしい、ていたらくになってしまったのですが、これはさらにその前にさかのぼるカルマであったのではないかと思います。 それ以前の前世について、どうか深くご教示下さい。 伏してお願い申し上げます。 ありがとうございました。
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| 2009・3・29
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|2 虚空蔵55様 みわ様
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| いつも御聖業ありがとうございます。 何度もご多忙の中、お煩わせて申し訳ないのですが、私の繰り言をお聞き流し下さい。
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|「 3月30日」 「 瞑想を始めてまだ20日あまりであるが、この短い期間でも、私の人生においては驚くべき出来事が生じている。 まず、私の診察時の、治療者としての態度が一変してしまった。 これまで20年間、追求してきた治療者としての振る舞いが根底から変わってしまった。 五井先生が私をご指導してくださっている。 これまでの私であったら、恐くて患者に言わずに飲み込んでしまうような見立てや、これまで全く見極めが出来ないために行わなかった、患者への信頼に基づく励まし、自分で聞いていて涙が滲んでくるような慈悲深い言葉が、私を操縦している。 仏の御心に適った名医になりたいと夢に見ていたことが現実に成りつつある。 以前、虚空蔵55様に質問をさせていただいたときには、神通力のかけらを身につけて、何とかカンニングをして名医の態度と台詞を演じれるようにうなったら、程度のイメージであったのが、悟りの道としての医道を歩むように促されている。 体は健康であるし、日々の感情は安定するし、ただただ幸福感と感謝に包ま
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|れて、涙があふれることが多くなった。 五井先生の御慈悲が身に沁みる。
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| 仏陀は遙か彼方の遠くにおられる。 自分ではとても感じることが出来ないところにおられる。 お取り次ぎをお願いするしかない現状であるが、今世も仏弟子の末席に置いていただきたいと願う。
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| 毎日一時間の瞑想を行っているが、先日家族と旅行へ行き、その数日間はどうやって瞑想の空間を作ろうかと思っていたら、ホテルがホテルの都合でと言って、スイートルームを用意してくれており、五井先生のお優しさに恐縮し、申し訳なく思った。 その数日の瞑想で先ほどの治療者としての変化が生じたと思われる」
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| 先日の質問に関しての補足を申し上げます。 私のこれまでの前世を更にご教示いただけますならば、どうか仏弟子としてのこれまでの歴史、畏れ多くも仏陀と私との関係をお願い申し上げます。 五井先生とのご縁もかつて何らかの形でいただく機会があったのであれば、より感謝の気持ちを深めさせていただけるよう、教えていただけますでしょうか。 ご叱責、私のいたらなさをさらけ出し、恥の上塗りすることを覚悟しております。 ありがとうございました。
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| 2009・3・30
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|3 虚空蔵55様 みわ様
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| 毎日の尊いご聖業ありがとうございます。 瞑想が変わってまいりました。 今までのは瞑想とは呼べないものではなかったかと恥ずかしく思いまして、言い訳のように、ご報告させていただきます。
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|「 3月31日」 本日の瞑想は、いつものようにばたばたせず、落ち着いた無欲のような、眠気かもしれないが、状態で始められた。 まず世界平和の祈りを10回唱え、仏陀の御姿を半眼で見つめた。 静寂が流れ、仏陀のサンガに帰依することをお誓いし直し、そこへ導かれるように瞑想した。 仏教の歴史に燦然と煌めく大修行者
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|が多数おられ、大いなる方は天空を埋めるように姿を現される。 五井先生も天空一面におられた。 そこから私を眺め、お導き下さっている。 あんな診療室で仕事をしているちっぽけな私を懇切丁寧にご指導下さっている。 これは、有り難いことである。 昨日書籍が届いた。 ほぼすべての書籍を手に入れたと思う。 これをすべて精読しよう。
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| 私の集合魂はみな修行者なのであろう。 とても大切な同胞たちであろう。 医療系のものもの混じっているのだろうか。
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| サンガは、森の朝のような深い静寂にあり、鳥のさえずりや自然の音が静かに聞こえる。 周りに人の気配がしない。 一人静かに瞑想を行う雰囲気であった。
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| 今世、このイベントの前に、エル・カンターレに教えを請うことは自分で予定してきたのであろう。 思えば19年間、大変大きな学びを与えていただいた。 私を育ててくださった。 心より感謝いたします。 ありがとうございました。 本日で脱会させていただきますが、先生を師と仰いだ19年間は私の基礎となっております。 本当にありがとうございました。 支部の皆様とこのような形でお別れするのは心苦しいところがあります。 皆さんとてもお優しい、善い方々でした。 ありがとうございました。 別の道を歩みますが、またお会いしましょう。
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| 今日幸福の科学の退会届けを郵送し、本尊を自宅と診察室からよそへ移動した。 ご本尊をすべてマンションの押し入れに移した。 この前五井先生の本を開いたときに、道場が汚された、神様が怒っているという箇所に出会ったのは偶然ではなく、私へのメッセージであった。
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| 今日、ある患者さんとのやりとりで、裁判に提出する書類を何度も印刷させられるので、愚かにもつい「 面倒くさい」 と言ってしまい、「 じゃあもう出しません」 というような反応があった。 直ぐに謝罪したが、午後も気分の悪いものであった。 しかし、である。 私がそういわなければ善かったという解決ではなく、こ
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|の出来事をより二人の関係を育てる素晴らしいものに変えてしまうことが本当の、治療者としての力量であることは間違いない。 計算をして出来ない部分があったが、自分の人間関係で出る顔に間違いないので、もう少し、品よくやらなければいけないが、言うべきことがある場面であった。 明日、友人を越えて、兄弟になろう。
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|「 4月1日」 本日の瞑想は、感謝と祈りであった。 世界平和の祈りに引き続き、我が守護の神霊、五井先生、仏陀、地球、子供達の守護霊様、守護神様に感謝を捧げた。 それから祈りに入った。 慈悲深き人間になれますように。 仏の御心に適った治療者となれますように。 患者の天命が完うされますように。 抜苦与楽の力が授かりますように。 患者の守護霊様、守護神様が、私に適切なインスピレーションを下さいますように。 それを受け取れる私になれますように。 五井先生のご指導、お言葉を、私が患者に伝えることが出来ますように。 五井先生に賜るお浄めをきれいに通すことが出来ますように。 一所懸命に仕事をしよう。 素晴らしい一日になる。 本日使命を授かった。 私に出来ることをもっともっと考えて、実践しよう。 素晴らしい報告と質問をしよう。 もう怖がらない。 偉ぶらない。 悪いことをしない。 搾取しない。 優しくなる。 慈悲深き人間でいる。 いたずらに自分を責めない。 自分を褒めて、認めて、もっともっとお役に立てる人間に大事に育てていく。 大切にする。 ちっぽけなプライドや日々の感情のぶれをもっと適切に扱えるようになる。
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| 夜。 今日、昨日の諍いのあった患者さんに心から謝罪した。 向こうから先に謝って来てくださった。 心が通い合った。 本当に嬉しい。 ありがとうございます。
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|「 4月2日」 瞑想の様相が変わってきている。 ぱっとインスピレーションをいただく形ではなく、つかみ所のない、これでいいのかと思うようなところもある。 祈りを体験したい。 良い治療者になりたい。 感謝がつかめていないのではないか。 仏陀が遠い。 五井先生は近くに来てくださる。 いま五井先生が、こういう形で、私をご指導下さっている奇跡に対して、感謝の気持ちが全く足りていない。 五井先生、申し訳ございません
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|でした。 暖かいご指導、いつもありがとうございます。 必ず、そのお気持ちを受け止めて、世界平和の祈りの指し示す方向へ尽力いたします。
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| 仏陀の水虫を治せるようになりたい、というのが浮かんだ。 夢か。
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|「 正しい祈りとは何か」。 思慧すること。 五井先生に学ぶこと。
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| 治療は良い状態が持続している。 以前とは全く違う治療者になっているが、客観的に見れていないので、つかみきれない。 新しく来た患者も一回で良くなる確率が上がっている。 以前ならどうなるかと思うような症状が早く改善しているが、あまり感動がない。 当たり前のように感じるのが少し問題があるように思えて、不安である。 私自身がパイプに徹している度合いが高くなっているのならば大変結構なことなのだが。 これは今度五井先生にお訊ねしよう。
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| 日頃の心も、不安で波立つことがほとんど無くなった。 急速な変化に驚いている。 もっと早く瞑想を始めれば良かった。 まだまだいたらないが、それでもわずか一ヶ月弱で、このようなことが起きるとは。 これは恩寵である。 心からの感謝が足りない。 もっともっと。 守護の神霊様、五井先生、仏陀様、虚空蔵55様、みわ様、ありがとうございます。
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| 瞑想が、シンプルになった。 自分の欲が出てこない。 十個あるが、もう一生、書くわけにはいかない。 私のような者の願望を成就してくださいまして、本当にありがとうございました。 心より感謝いたします。 今後の一生の精進をお誓い申し上げます。 これはちょっと気が早いかもしれない。
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| どうも、調子に乗って、浮かれたような未熟な文章をこんなに報告して申し訳ありませんでした。 個人的には最近祝祭ですので、どうかお見逃し下さい。 どうもありがとうございました。
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| 2009・4・2
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回答4 虚空蔵55
どっぺん様
スイートルームが用意されたのは、守護霊様が喜んでやっておられます。
( 今の状況がとてもうれしいようですよ)
仏陀とあなたとの転生の直接の関係はありません。
五井先生ともその関係は存在しません。
今現在他の方と同じように、ここにおいて五井先生とつながることで生じた縁です。 ただ仏陀は常にあなたの側におられるのですが、あなたが「 おそれおおい」 と思っているため中々接触できません。 いつも仏陀があなたと共におられることを意識して下さい。 そして五井先生に感謝をしておられるのは、そのままで結構です。
なぜあなたは幸福の科学や高橋信次さんに惹かれたのでしょうか。
「 彼らの最初の熱いやさしさ、仏陀を標榜していた表面上のやさしさに惹かれていた」
そういうお答えが来ました。
ご希望の前世の前の生……前々生を調べてみました。
AC180年に今のインドネシアのカリマンタンで生まれておられます。 そこで50才で亡くなるまで、独身で過ごしています。 結構大男で、ごつくてあまり他の人たちと馴染んでいないようでした。
しかし性格は穏和で、よく回りも観察してはいたのですが、あまり関わりを持とうとはしていません。 南国の浜辺を何やら大きな魚のようなものを肩に担いで運んでいます。 よく見ると顔のとがったサメでし
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た。 どうやら彼はサメを捕獲することを主な仕事にしているようです。 そこには時々外から商人がやってきて、サメから獲った肝臓がほしくて交易をしております。 サメの肝臓は何かの薬になるようで、商人はそれで大分儲けておりました。 代わりに受けとっているのは、祭祀に使う装飾品や特別な食料、それに身の回りのちょっとした飾りなどです。 近くにサメの巣があるのですが、非常に危険な場所で多くの男達がそこで命を落としています。 あなたは頑丈で強い人でしたので長生きしていますが、そのサメの巣で50才の時に腹を裂かれ、それが元で亡くなっています。
この時の生でカルマはあまり作っていません。 というよりむしろクリアすべき課題をクリアしていなかったといった方がいいかもしれません。
「 人が生きる上での悲哀と哀しみ、それでもなるようにしかならないという達観を取得しなければならなかった」
「 それをある程度は学んだのだが、自分にはどうすることも出来ないという矛盾……それを強く持ってしまった」
「 本当はそこからもう一歩いってほしかった」
見ていますとこの時は、感情が薄いわけではないのですが、冷静すぎたといいますか、何事にもあまり動じるということをしていません。 むしろ動じることが出来なかったといってもいいかもしれませんが、それが一つ転生を飛び越えて、今世に反動として何かしら反映しているものがあるかもしれません。 どうせお聞きになると思い、この前の生も見てみようと試みましたが、どうやら今回の文明ではなさそうでしたのでやめておきました。 最後の方で「 感動がない」 とありますが、これはパイプ役に徹しているわけではなく、「 慣れ」 が出てきてしまっています。
ご健闘をお祈りします。
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| どっぺん
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| 2009年4月20日 No.748
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| 虚空蔵55様 みわ様
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| ご教示どうもありがとうございました。 大変興味深い前々世でした。 ご指摘のことを瞑想で思慧しようと思います。
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| 自分と仏陀との関係を尋ねるなど、今思うと赤面の至りですが、仏陀系の魂と言われたことで、舞い上がってしまいまして、言い方を間違えました( ということにしておいて下さい)。 仏陀は常に私のそばにいて下さるのですね。 それに気づけない愚かな自分を成長させなければなりません。 今世ここまで来るのに50年過ぎてしまいました。 人生の残りの時間、全力を尽くします。 虚空蔵55様。 どうか弟子( この言葉が適切でなかったら、弟分か何か) の末席に置いてやって下さい。 今後とも、お導きをよろしくお願い申し上げます。
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虚空蔵55
2009年4月20日 No.750
どっぺん様
あなたの前々生の場所を、インドネシアのカリマンタンとしましたが、正確にはカリマン島でした。
訂正してお詫びいたします。
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失礼しました。
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| 質問1
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| A
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| 2009年3月21日 No.649
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| 健太は今どうしているのでしょうか? どうして死んじゃったのでしょうか? 私も健太のところへいきたい。 健太に逢いたい。 私はこれから、どうやって生きていけばいいのでしょうか? いつまで生きなければいけないのでしょうか?
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回答1 虚空蔵55
A様
どうお答えすればよいのでしょうか。
本来は放置でしたが、何故か上から返答するようにとの指示がありました。
女性ではなく粘着質の男性です( もっと詳しく分かっているのですが今は書きません)。
「 あなた自身がそこにとらわれている以上、そこからは抜け出られません」
「 不幸が来ます」
「 悪意は悪意を呼ぶのです」
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上の方がこういう言い方をするのは初めてです。
どんなに悪態をついても、失礼なことをしても最悪黙ってしまわれるだけでしたが「 不幸」 や「 悪意」 という言葉は意外でした。
おそらく返答するようにという指示の裏には、この方に可能性があると見られたのかもしれません。
「 そこ( その輪廻) から抜け出るには、祈りで断ち切りなさい」
以前にも書きましたが五井先生は、
「 最悪罵ってでも良いから、どうしようもない時は自分を呼びなさい」
そう生前おっしゃっておられました。
ここに書き込まれたということは、そういうことなのです。 それが縁を持つということです……それがたとえ細い一本のクモの糸でも、そこから抜け出ることは出来るのです。 それがフェイクであっても、悪意があっても、それを祈りで断ち切ることは出来るのです。 あなたの信じている方に同じ質問をされてみてはいかがでしょうか。 どういうお答えが返ってくるでしょうか。
おそらく今はその質問がフェイクとすら見破れない方なのです。
ご健闘をお祈りします。
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| 質問2
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| A
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| 2009年7月12日 No.874
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|1 虚空蔵55様、みわ様、いつもご聖業ありがとうございます。 どっぺんです。 本日はA様に、ご本人の代
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|理として質問をするように依頼されましたので、質問をさせていただきます。 先日A様は、健太はどうしているのか、わたしはどうすればいいのかというような内容で質問をされました。 3年前の12月、次男である健太君はJRの踏切で3回轢かれて亡くなるという悲惨な事故に遭いました。 母親であるA様は半狂乱となり、深いうつ病にかかってしまい、何回も入院され、現在も治療を続けておられます。 彼女が自殺を実行していない理由はただ一つで、自殺をしてしまうと、死後、息子に会えなくなると友人から聞かされているからです。 質問です。 いまこういう状態に置かれているA様は、ご本人の魂のために、また健太君の冥福のために、今後の残りの人生を、どのような心境で、どのような在り方をされるのが正しいのでしょうか。 ご指導よろしくお願い申し上げます。
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| 2009・4・22
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|2 追伸
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| この前のご指導の後、五井先生の御著書を読まれ、世界平和の祈りを祈っておられます。 先日、夫が起こしている裁判の一審の判決がありまして、JR側の責任が認められた初の画期的な判決が下されました。 もし敗訴であったら、ご本人は、JRに飛び込んで自殺をする覚悟をしていましたので、取り敢えずその事態は救っていただきました。 ありがとうございました。
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| 2009・4・22
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A様・どっぺん様 虚空蔵55
本来の順番でいきますと、すでにお答えしなければならない時が来ておりますが、あまりにもその回答が長くなってしまっていて、いまだに決着がついておりません。
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あと数日はかかると思われますので、今しばらくお待ち下さい。 おそらくこのBBSでは、最長の文章になってしまっていると思います。
なおこのA様の質問で一区切りとなり、皆様方の質疑応答がまとめられて出版されることになります。
全ての質問を本にしますと数冊分近くありますので、抜粋して何冊かを出していきます。
それが条件で「 宇宙全史」 第1巻の再販が許されるようです( 全国の書店販売になります。 今年の8月中には間に合うかもしれません)。
しかし第2巻の発売は、その後の状況によるようで、いまだ許可が出ておりません。
有難うございました。
回答2 虚空蔵55
2009年7月16日 No.132
これは右のNo.874に対する回答です( かなり長いので、6部に分けておきました)。
A様
まずは謝っておかねばならないことがあります。
もう随分前になりますがAさんから最初のメールを頂きましたが、そこには後でも出てまいりますがある存在の強力な妨害が入っていました。 あたかも偏執的な中年男からの悪戯メールと思わせる波動を、強力に織り交ぜてきていて、私たちがまともに受け付けないようにしていました。 それはあなたの波動に重なってきているもので、波動的には事実上「 同じもの」 とみなされてしまうのです。
しかしそれを見抜けなかったのは、私の未熟さでした。 改めて今回のメールを拝見して検証してみました。
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しかしやはりかなり強い妨害( というより心を開かない存在) がありまして、長い時間にわたって攻防が続いていたのです。
そんな私たちを見かねて、道を開いて下さったのは五井先生でした。 イソップの寓話で「 太陽と北風」 というお話をご存じでしょうか。 私たちは( エル・ランティやエホバの時のように) 力で何とかしようとしていたのですがどうにもならず、とてつもなく深く冷たい業の闇に光を届けて下さったのが五井先生の慈悲でした。 それまで全く心を開こうとしなかったその存在が、ポツリポツリと語り出したのは、五井先生の働きかけがあったからでした。 これからあなたの複雑にひっ絡まってしまったカルマの糸を解きほぐしていきます。
大きく分けてあなたの今世には三つのキャラクターのカルマが、それぞれ関わり交差しています。 その三つとは「 あなた」 と「 健太君」 と「 ( 見た目は) 変質的な中年男性」 です。 この三つのカルマががんじがらめに絡み合いドロドロに固まってしまっているので、それを少しずつ解いていかないとどうにもならない状態に陥ってしまっています。 そこを何とかしない限りは、あなたばかりか健太君もその輪の中に取り込まれてしまっているので楽にならないのです。
中年男の強力な念です。
「 お前の幸せを邪魔してやる」
そしてその色んなもの( 状態) を呼び込んでいるのは、他ならぬあなたでもあるのです。 果たしてあなたは、この文章をお読みになって何かを学ぶことがお出来になるでしょうか。 いやそれよりも前に、最後までこの回答を読みきることがお出来になるでしょうか。
「 第一部」
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まず今生に大きく関わるあなたの前世を見てみました。
舞台になったのはイタリアのフィレンツェで、事件が起きたのは1563年頃から数年間でした。 最初に出て来たイメージは、ドロドロに腐ったような緑の水を背景に血みどろの戦いをしている二人の女性でした。 最初はこの意味が全く理解出来なかったのですが、セッションが進んでいくうちに次第に明らかにされていきます。 フィレンツェではあなたは貴族階級の娘で、同じような年のいとこ( 女性) がおりました。 幼い頃は仲がよくお互い一緒に遊んだりしていたのですが、先ほど書きました1563年頃から関係性が少しおかしくなっていきます。
実はこの時からあの中年男が関わって来ています( 霊的な意味でです)。 小さい頃は仲が良かったのですが( それでもお互い小さなことでライバル心はありましたが)、この頃になりますといとこ同士の間で結婚の話が出てきます。 当時の貴族社会では、家系を守るため近親婚は当たり前でしたので、あなたといとこの女性とやはり幼馴染のいとこの男性との間に「 どちらかの娘さんと結婚させよう」 という婚姻話が持ち上がります。 それまであなたは少し意地悪な所もある女性でしたが、いとこの女性の方はとてもいい子でしたから仲良くしていたのですが、この話が出てきた頃から突然のように彼女の性格が変化します。 お互い生まれた時からの仇敵だったかのように「 負けたくない」 という敵愾心、ライバル意識をむき出しにして睨みあいます。
またちょうどこの頃、巷に流行病が蔓延していきます。 現代では地下深くに潜伏してしまっているこの伝染病が、当時は表舞台裏舞台で色々活躍していますので、少し調べてみました。 日本語に訳しますと当時その病は「 風の毒の病」 というような意味の言葉で呼ばれていまいた。 空気感染もしますが接触感染もしています。 体力のない人間が感染すると死に至ることがある病でもありましたが、なんと当時その病のワクチンと
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もいうべき特効薬が存在したのです。
さらに驚くことに、ワクチンと同じくその病の菌を使った( 現代でいう) 「 細菌兵器」 のようなものまでありました。 これはある特殊な人たちが裏社会で需要に応じて作っていました( 裏社会と言いましても国の関与があり、どちらかというと闇の国家機関といった方がいいかも知れません)。 かつてこのBBSでも出てきましたが、蛇の毒を使った暗殺などの需要のために蛇屋さんが裏の仕事も営むということがありまsたが、こちらはもう少し高度な技を使用しています。
まずこの「 細菌兵器」 を作るには、街でこの病に倒れた人たちの遺体を集めてきます。 大きな倉庫のような中に、石室のような施設があり、中央が深い池のようになっていて、そこに遺体の衣服をはがして次々と放り込みます。 すると時間がたつにつれて、下の方から段々と腐って行き、最終的にはドロドロに溶けていきます。
想像されると少しはお分かりになると思いますが、その凄惨な有様は、病院の遺体安置場など比較にならないほどの譬えようのない臭気と、絶望的な厭世観をともなう重い波動をあたりに漂わせています。
病原菌もその溶けた液体の中にはいるのですが、それよりもその病で亡くなった肉体の持つ重い波動が凝縮され、特殊な精製方で最終的には透明な液体になったその「 細菌兵器」 は、非常に強力な「 毒薬」 として様々な用途に用いられていました( この毒薬のいいところは、毒殺されたというより、病にかかって死んだとみなされるところでした。 使用方法は特定の個人にも使われましたが、国と国との確執で、戦争になる前に相手の力を弱めるためにこれをばらまき、病を蔓延させるという事を密かにしています。 これもやはり空気感染と接触感染の感染経路を持ちます)。
そしてこの同じ人たちが、解毒剤も製造していたのです。 さて二人の女性は、いとこの男性の獲得競争を繰り広げていましたが、結局あなたが勝利し、挙式の日取りも決まって行きます。 しかし決着はついたはず
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なのですが( 若い女性の性といえなくもないのですが)、これまで競争相手だったいとこの女性に、わざわざ自分のウェディングドレスを選ばせたり、花嫁の支度を押し付けています。 そんな事をする必要はないのですが、自分が勝ち取ったという優越感の誇示と「 私は幸せなのよ」 という事を自慢し、見せびらかせたかったということがあったようでした。
実はこのいとこの女性には、結婚話が持ち上がった頃から例の変質的な中年男の霊が憑いていたのです。 それでその頃から突然彼女の様子が変わってしまったのですが、それに輪を加えてあなたがこれでもかというほど扇動するので、彼女は益々敵意を募らせます。 結婚式の前にお披露目パーティをするのが当時のしきたりでしたが、その時に大切なウェディングドレスをメチャメチャに引き裂いたり、式そのものを何とか妨害しようと図っています。
その最たるものが「 毒を盛る」 という事でした。 彼女も貴族の一員でしたから、そういう毒薬があることは何となく噂で知ってはいました。 それを体を張って( 身を売って) 手に入れています。 そしてメインのグラスにだけ入れてあなたを感染させようとしました。 この時花婿も危うくそのグラスを手にとりましたが、「 主役があまり飲みすぎちゃダメでしょ」 と彼女がうまくいってグラスを取り上げています。
しかし彼女自身もグラスに毒を入れた時、少し毒に触れてしまい感染します( その後ちゃんと解毒剤を飲んではいますが)。 あなたはお披露目パーティの時以来何だか体の調子が悪くなっていました。 しかもその頃上流階級ではよくあることなのですが、ある怪文書が回されていました。 それは「 あなたの婚約者といとこの女性がいい仲になっている」 というものでした( もちろんこれはいとこが自ら流しています)。 当時の貴族社会では名誉が最も重視されます。
あなたはこれで相当イライラしてしまっていますが、そんな時に彼女から呼び出しがあります。
「 あの人( 婚約者) にひそかに会わせてあげるわ」
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当時は婚姻が決まりますと、二人を隔絶します。 お互い監視がついて、そう簡単には会えなくなるのです。 そこで「 会わせてあげるよ」 という誘いにのり、風聞のこともついでに確かめてやろうと待ち合わせ場所に向かいます。 街中は流行病のおかげで人影もまばらで、寒々としています。 そんな中二人は町はずれの石畳の広場で待ち合わせをしています。 そしてここからが冒頭にありました「 ドロドロに腐ったような緑の水を背景に血みどろの戦いをしている二人の女性」 のシーンになります。
最初は口論から始まりますが、いとこが解毒剤を手に持って「 あなたがひれ伏してあやまればこれをあげるわ」 と見せびらかします。 それをあなたは無理やり奪い取って飲んでいますが、実はその解毒剤は偽物でした。 その後はもう無茶苦茶で罵詈雑言と取っ組み合いの応酬になり、お互いが持っていた( 当時の女性は常時護身用の小さなナイフを持っていました) ナイフで切り合いをします。 いとこは急所を突かれて絶命し、あなたも傷だらけになりその場に倒れやがて失血で亡くなっています。 その後婚約者の男性は何事もなかったかのように、別の女性と結婚しています。
あなたの物語はまだまだ続きがあるのですが、ここで一旦総括しておきます。 このフィレンツェの生で重要なキャラを演じたいとこの女性は一体何者だったのでしょうか。 この女性はあなたのこの前の生( インド時代) に関わる方なのですが、それでもその時あまりあなたとは絡んでいないキャラでした( ほとんど関係性がないというほど薄いのです)。
この時の彼女の天命です。
「 花のように可憐に生きる」
それがどうしてここまで濃く重い関係性を持ってしまったのでしょうか。
「 そもそも殺し合いをするような因縁はなかった」
「 ただお互いの感情のもつれに付け込まれた」
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付け込まれたのは「 男性を中心にしたライバル心」 という嫉妬心が大きかったようです。 ここまで巻き込まれたのはいとこにも責任がないわけではないのですが、あなたの執着がものすごいものがありました。 謎の中年男の霊の関与で、そのあなたの執念と、いとこのライバル心が何倍にもなってしまったということは事実としてあるのですが、しかしそこは単に「 若い娘の驕り」 と流さずに、克服すべきところでもありました。
「 女二人が戦うのは些細なこと」
「 深いものはあなたの負の形質、それしかない」
と上の方からお言葉がありました。
「 人のせい、周りのせいにしている間は進歩がない」
「 いつまでも同じ事の繰り返し」
ドロドロに腐った緑の水、それと変質的な中年男の謎がまだ解き明かされていません。
再びこれからその果てしなく絡み合った輪廻を紐解いてまいります。
「 第二部」
あなたのその前の生になります。
時代はAC890年で所はインドですが、今のネパールとインドの国境付近になります。 インドではいつの時代でも土壌としてあったのですが、この頃は特にカースト制という身分制度が色濃い時代でした( カーストに関しては学校で習われていると思いますが、ご存じない方は調べておいて下さい)。
あなたは王族で、マハラジャ( 王) の妃でした。 彼はカーストの最下層賤民で、不浄を扱う者でした。 城
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の中の汚物を汲み取り、外に運び出して処理をするということを生業としていたものです。 それを少年期から25才までやっていました。 通常は王妃であるあなたと彼との接点はないのですが、たまに遠くから盗み見るように見ていたようでした。 彼が初めてあなたを見たのが、AC890年でした( この年代が特定されたのは、その時がこの生での事件の発端になるからです)。 彼の母親はろくでなしでしたから、子供を獣以下にしか扱っていませんでした。
王妃のその美しい姿を見た彼は、彼女を一人の女性というよりは( どうやっても手が届かないがゆえに) 聖なる存在としてあなたを象徴化しています( せざるを得なかったといってもいいかもしれません)。 そうすることで自分の中で納得させ、消化していました。
スードラという最下層賤民( 本当はもっと下があるのですが) の生まれである彼は、生まれてこの方人間扱いされたことがなかったのですが、普通はスードラ階級の人たちは「 そんなものだろう」 と半ばあきらめ、半ば納得しているのですが、彼は「 自分は人とは違う」 「 気はきくし、才能もある」 「 王宮に出入り出来るようになったのも自分の力」 「 必ずもっとはい上がってみせるぞ」 という気概というか自負心を持っていたのです。 それはそれでよかったのですが、いつしかそれが「 自分は周りよりずっとまし」 「 自分次第ではもっと取り入ることが出来る」 そういう「 自分はもっと、もっと」 というエゴの領域を拡大させていったのです。
そこで「 あのお姫様なら分かって下さる」 とどこをどうつなげたのか分かりませんが、自分の都合のいいように勝手に解釈してお妃を見ていました。 それからは汚物を扱う卑しい仕事の合間に、妃を遠くから見ることだけが彼の生きがいとなっていきます。
ところがある日その尊敬と愛情の混ざったような敬慕が、突然ものすごい憎しみに変わっていきます。 しかし妃と彼の間には全く接触がないのに、どうして彼の心境がそこまで激変したのでしょうか。 実は妃は王
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様に隠れて何人もの若い男たちと浮気をしていました。 しかも子供を孕んでは堕すということを、繰り返しています。 それを彼は知ってしまったのです。
しかし一体どうやってそのことを最下級の身分の彼が知りえたのでしょうか。 当時のトイレは桶のようなものに用を足し、それがいっぱいになると彼のような役職のものが定期的に取り替えていました。 その中に妃が堕胎した胎児があったのです( 堕胎は堕胎薬でしています)。
それを見た彼は、それまで聖母という触れることが出来ない存在というイメージだった彼女が、自分たちと同じ人間であると思い知ります。 そこから彼の心境の変化が複雑なのですが、簡単に説明しておきます。
まず妃に対する「 聖母」 という至高のイメージが崩壊したことに対する怒りがありました( 彼の勝手な思い込みなのですが)。
「 神のように崇めていたのに」
「 やっていることは鬼畜」
それは「 決して手の届かない存在」 として、あきらめるための彼なりの納得だったのですが、それがいきなり「 不倫」 「 堕胎」 という「 何だ自分と同じ欲望を持つ人間じゃないか」 という「 手の届く存在」 を確認してしまった所から、彼女に対する欲望( 肉欲) に走ります。 つまり彼にとっては「 聖母」 であろうが「 肉欲の対象」 であろうが彼女が自分のものであれば何でもよかったのです。 彼女が手の届く肉欲の対象となってからの彼は、それまでの妄想に輪をかけて暴走します。 そして普段ならかろうじて足を垣間見るくらいしか出来ない妃の前に踊り出て、自分を側近の僕に使うように懇願します。
彼は( 自分は気はきくし、頭もいい、何より妃は自分を必要としているはずだと思い込んでしまっていましたから) それで何とかなると思っていたようでした。 もちろん彼は妃に足蹴にされ、護衛に追い払われています。 それでも彼は「 彼女をいつか必ず自分のものにする」 足蹴にされても「 本当は自分のことを思って
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いるのだろう」 そう真剣に信じています。 勘違い、思い込み、盲目的な執着は現代のストーカーのようですが、次第にそれがつのって目つきが蛇のように気味の悪いものになっていきます。
その目つきが気持ち悪かったらしく妃は彼の役職を他の者と交代させます。
「 うっとうしい」 「 目つきがいや」 ただそれだけで、交代させていますが、彼の職場は、彼一人でやっていたのではなく、4、5人のグループで賄っていました。
それが彼のせいでまとめて解約になってしまったので、彼はその仲間に呼び出され、リンチにかけられます。 大きな石で殴られ、投げ付けられ、ボコボコにされ放置されたあと息を引き取ります。 呼び出される前にすでにだいぶ体が弱っていたようで、あまり抵抗もできずにいました。 この時25才でしたが、衰弱がひどく容貌は変質的な目つきの中年男性のようでした。 そしてこの容貌のまま地獄界( 下幽界) で苦しんでいるのです。 だから彼が我々に接触するときは、この姿で出てきます。
哀れな最後でしたが、彼のその最後の思いです。
「 あの女が悪いんだ、畜生呪ってやる」 そう思いながら「 本当はそうじゃないんだろう、俺のことが好きなんだろう」 そうも思っているのです。
フィレンツェでのあなたのいとこの女性は、このインド時代の王妃の世話をする取り巻きの女性の一人でした。 あまり濃い関係性はなく、本来ならフィレンツェでもただの良いいとこ同士の関係で終わるはずだったのです。 さてあなたとこの中年男性の深い因縁は、まだもう少し地球の過去をたどる必要があるようです。
「 第三部」
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時代は白亜紀の大絶滅の少しあと、約6000万年前のことです。
人類が復興するより前に、耐久力のあった妖怪の種族たちがそれなりの文明を立ち上げていた時でした( 文明といいましても、人類のそれとはだいぶ異なるものです。 これに関しましては、いつか詳しく収録しようと思っています)。 白亜紀のあの壮絶な大絶滅で、人類は一旦完全に消滅しましたが、妖怪の一部は生き残っています。 あるいは能力の高いものは、別な世界に一時避難して、また戻って来ていました。 もちろんひ弱な妖怪もいて、人類と同じく一旦絶滅して再び上から降ろされている者もいました。
しかしこの時代には、妖怪たちの人口は人類よりもはるかに多く、それなりに文化もあり、妖怪が世界を創り、秩序があって安定していた時期でした。 人類はいまだ黎明期を出ておらず、原始人そのものの生活を余儀なくさせられていたのです。
あなたのグループ( 一族) は、小さな湖( 沼) の周辺にそのテリトリーを持っていました。 すでに書いておりますが、妖精も妖怪の種族に属します( どちらも人間が勝手に解釈しているだけのもので、本来は同じもののようです)。 その沼は常に緑色といいますか、コバルトブルーに近い澄んだエメラルド色の水を湛えていました。
しかしその領域の住人たちにいさかいや争いごとがある時には、たちまちドロドロの濁った緑色の水に変色しています。 色んな意味でこの沼は、あなた方住人の神聖な領域であり、心を映す鏡でもありました。 あなたはこの時この領土を納める妖精の王様の一人娘、お姫様でした。 ちょっととんがってはいますが、それなりに美しい女性でした。 もちろんそれに見合う軽薄な妖精も当時でもたくさんおりましたから、取り巻きに囲まれて( それなりに) 幸せに暮らしていました。
しかしここにインド時代のあの男性がいたのです。 それはやはりこの沼の周辺に住むガマでした。
ガマの格好をしてはいますが、正確には顔だけがガマで、体は( 手足はガマの手足ですが) 二足歩行をし
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ています。 しかもガマの顔ではあるのですが、眼だけが人間の目のように横に細くなっています。 ですからカエルの唯一のかわいさの象徴であるまん丸い眼がなく、細く刺すような眼だけがありますと、それはかなり不気味なものではありました。 そのガマがお姫様を見て、好みだったのでしょうが、世界が違うので遠くからあこがれに近い憧憬を持っていつも見ていました。
お姫様の方はそういう事には中々敏感で、何となく気がついてはいたのですが、無視をしていました。
「 相手にしないもの」 は「 完全無視」 という傲慢さをすでにこの頃から持っていました。
しかもガマがそばに隠れているのを知っていて、わざと取り巻き連中にガマの悪口を言うという高度な意地悪さも持ち合わせていたのです。
ガマは「 仕様がないか、自分は……」 と思っています。
ところがここで事件が起きます。 王様がこのお姫様のお婿さんを、広く招聘しようと公募します。 本来お姫様は「 地の妖精」 ですので、その種族の中で婚姻すべきなのですが、この時は広く力のある若者を発掘しようという試みで、一大イベントになっています。 お姫様自身はあまり乗り気ではなく、その時好きな人もいたのですが「 もっといのがいるかな」 くらいの感じでいました( 好きなのは木の精だったのですが、彼は何とも思っていませんでした)。
でもそこにあのガマが応募してきたのです。 そして結果非常にいい成績で、何とトップになってしまったのです。 選考方法は「 王様に気に入られるかどうか」 と「 妖怪( 精霊) の資質、いうならばパワー」 でした。 ガマは力はあったのです。 しかも王様に「 気骨がある」 と大変気にいられています。
それにしてもこの王様、娘がバカだとは知らないのでしょうか。
「 分かってはいた」
「 だからこそこういう事をした」
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