配色と色彩調和
配色は、色相環と、明度・彩度の組み合わせによって行なわれる。
トーンと色彩調和
トーンとは、明度と彩度の複合概念を示す(簡単には明度+彩度と覚えて良い)。
彩度・明度などについて、類似・対比がはっきりしている配色が調和するものと考えられている。
色相基準配色
色相環の中で配色された2つの色がどのような位置関係にあるか把握する。
同一色相、隣接色相、類似色相、中差色相、補色色相(対照色相)、隣接補色
明度基準配色
立体感や遠近感(すなわち形や奥行き感)は明度の諧調によって認識される。
対照明度(明度差4以上)、中差明度(明度差2.5~3.5)、類似明度(明度差0.5~2.0)、同一明度
無彩色による関係・同一色相による関係・対照色相による関係で変わってくる
彩度基準配色
対照彩度、類似彩度、同一彩度
無彩色と有彩色の配色、同一色相による配色、類似色相による配色
トーン基準配色
明度と彩度を合わせてトーンで配色関係をみる
同一トーン、類似トーン、対照トーン
色彩調和の形式
色相による調和と、トーンによる調和の両方が考えられる。
同系の調和、類似の調和、対照の調和の3通り
3(色相による)×3(トーンによる)で、すべて同一を除くので、8通りの効果が考えられる。
配色技法
ベースカラーとアソートカラー
基調となる色(ベース)と、それを副える色(アソート)の2色から成り立つ。
ドミナントカラー(主調色)
ドミナントとは、支配的な、優勢なという意味で、統一感を与えるためのカラー
トーンドミナント、色相ドミナント
セパレーション
2色またはそれ以上の多色の配色で、その関係があいまいであったり、対比が強すぎたりする場合に、分離色(セパレーションカラー)を1色挿入することで、調和を図る。
主に、分離色には無彩色が用いられる。あるいは、金属色(メタリックカラー)の場合もある
アクセントカラー
強調するための色で、単調な配色に、対照的な色を少量加えることで、配色に焦点を与え、全体の調子を引き立てるために用いる。アクセントカラーは、色相やトーンを強調するものが選ばれる。
グラデーション
多色配色において、徐々に変化するもの、統一的な属性感を強調する
→色相グラデーション、明度グラデーション、彩度グラデーション、トーングラデーション
繰返し(リピテーション)
統一感の欠ける配色に一定の秩序に基づく調和を与えるための手法
タータンチェック(調和のとれていない配色に用いられる)
トーンオントーン(Tone on Tone)配色
トーンを重ねるもので、同一色相で、2つ以上のトーンが使われているもの
トーンイントーン(Tone in Tone)配色
同一色相か、隣接色相・類似色相で、トーン差の近似した配色
トーナル(Tonal)配色
トーンは共通で、色相環で一定の角度にある色を選ぶ。トーンは、中明度・中彩色の中間系の色(ダルトーン)が用いられる。
カマイユ配色(Camaïeu)、フォカマイユ(Faux Camaïeu)配色
トーンイントーン配色の一種で、カマイユは1つの色相を用い、トーンをほんの少しだけ変化させる、遠くからみれば1色に見えるほど、微妙な差にする。フォカマイユは、2つの隣接色相を用いて、同じようなことをするもの。
トリコロール(Tricolore)配色、ビコロール(Bicolore)配色
国旗の配色、メリハリのあるコントラストを強調した3色、2色配色
バランスポイント
バリュー&キー 主調色を基本とする明度と調子
明るく、彩度をおさえることで現実的な色合いになる
https://gyazo.com/d40dd4f100e7a507b156280c8e1be292
https://youtu.be/Qj1FK8n7WgY
Monochromatic:モノクロマティック(単色)
色相環から1色(または、隣り合わせの近似色)を選択して、明度・彩度の差だけで色付けする方法です。
https://gyazo.com/1d869f78a66adcc2539eeffd4494bd39
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Analogues:アナログ(類似色)
カラーホイール上で隣同士にある色を使用します。
類似の配色は自然界に多く見られ、調和していて目に優しいです。
1つの色をメインカラーとして使用します。メインカラーをサポートするために2番目の色を選択し、アクセントとして使用するために3番目の色を選択します。
https://gyazo.com/320e57c19b925f5a111bbedddade071c
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Triad:トライアド(3色配色)
スイスの芸術家ヨハネス・イッテンが提唱した配色調和の形式のひとつです。
「トライアド(triad=三つ一組)」という名の通り、三色配色のことで、色相環を均等に3つに分割する位置にある3色から構成されます。イッテンの作った色相環以外にも適用されています。
トライアド配色の特徴は、バランスがよく明快であること。各色が色相環上で120度ずつ離れており、互いに対照色相配色の関係にあります。
補色の対立関係が分散されるので、色味を増やしつつ、バランスを取りたいときに有効です。
彩度・明度を同じにする、または、アクセントカラーだけ彩度・明度を上げると良いです。
https://gyazo.com/5238e88c460573138191c585b92e183c
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Complementary:コンプリメンタリー(2色配色、補色)
補色はお互いの色を際立たせる効果があるため、インパクトのある絵に仕上がります。
彩度を高くした場合、ダイナミックで力強い印象に。
彩度を低くした場合は、比較的落ち着いた印象となりますが、明瞭さは失われません。そして同系色相配色に比べると、やはり個性的な印象です。
この2つの色は混ぜると無彩色になり、お互いの残像の色でもあります。
単一の色をジッと見つめてから明るいところを見ると補色が見えます。一方、暗いところを見ると最初の色の残像が見えるのです。
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Split Complementary:スプリットコンプリメンタリー(分裂補色配色)
ヨハネス・イッテンが提唱した配色調和の形式のひとつで、日本語では、「分裂補色配色」と言います。
「補色」とは、色相環で対向する位置にある色ですが、スプリットコンプリメンタリーは、ある一色と、その補色の両隣に位置する2色からなる3色配色です。向かい合う色が二つに分かれているので、「スプリット(分裂)」というわけです。
対照的な色相が用いられますが、分裂した先の二色は、類似色相の関係にありますので、変化の中にも統一性が感じられる配色。
補色を使いたいけど、「もう少し統一感が欲しい」「マイルドにしたい」というときに有効です。
色幅が増えるので、補色の対立関係が少し穏やかになります。
https://gyazo.com/c942c1560a4d2adcb01cc99880547b91https://gyazo.com/ce45226e504cbb201835d8c54e212d0f
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Double Complementary:ダブルコンプリメンタリー(4色配色)
もっとも難しいといわれるダブルコンプリメンタリーです。ダブルコンプリメンタリーでは、2組の補色となる色相のペアを使います。これだけでも難しさが伝わっていますね。うまく選択しないとまったく調和しない絵になってしまいます。
コツは4つの色相を等分に使うのではなく、ドミナントカラーを決めて、ほかの補色組はアクセントカラーとして使うことです。
3色までは意識的に構成することも可能ですが、桁が一つ上がった4色配色からは参考程度に理論を学びしょう。ダイアード、テトラードともにあまり考えすぎないようにすることが大切です。
https://gyazo.com/5d4b09924582c5fb6cdbe61517053c67
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