色彩と視覚
光と色
色は波長で捉えられる
直接光と反射光、透過光
色の見え方
D.Katz(心理学者)の分類
面色(film color)、表面色(surface color)、空間色(volume color)、透明面色(transparent film color)、透明表面色(transparent surface color)、鏡映色(mirrored color)、光沢(luster)、光輝(luminosity)、灼熱(glow)
アメリカ光学会測色委員会(OSA)の分類
物体色(object color)→光源色(illuminatant color)、表面色(surface color)、空間色(volume color)、非物体色(non-object color)→面色(film color)、照明色(illumination color)
色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Brightness)
この3つの要素により、人間は色彩を認識する。また、現実の場面では、透明性・反射・屈折などによっても色を認識する
順応と所視
観察者の状況により、色の見え方が変化する。環境に合わせて、目が見え方を変えていくことを順応と呼ぶ。また、順応した段階での見え方を所視と呼ぶ。
明順応/暗順応/明所視/暗所視/色順応/薄明視・プルキニエ反応
色彩の恒常性
見る状況が変化しても、それが同一のものであるという記憶がある限り、色についても同一だと記憶している。
夜間など十分な光の得られない環境では、錐体の機能、特にL錐体の機能が低下する。そのため夜間には赤と黒の識別が困難になるのだが、そのような環境にあっても赤色であると知っているものは赤く見える場合がある。例えば、黒く塗った林檎を暗い環境下で見せると赤く見える、といったことが起こる。
太陽光と同じ波長分布の光が最も自然な白色とされるが、それより青成分の強い光を「爽やかな白」と感じる人が多い。故に多くのディスプレイ上に表現される白色は純白より青味が強い色になっている。そのような青味の白も極端でなければ、日常的に白を吟味していないような多くの人の眼には「青」でなく「爽やかな白」と感じられる。
負の残像(残効)と補色
ある色を見続けていると網膜にその色の刺激が刻みつけられる。これを残効と呼ぶ。別の画像に目を向けると、補色が残像としてみえる。これを陰性残像と呼ぶ。明度、色相、彩度について言える。これに対して、光源などを見たときに、その色が残るのを正の残像と呼ぶ
色の対比(Contrast)
対比は、対立する色によって、色の見え方が変化することをいう。
継時対比(残効による色の見え方の変化)/同時対比(直接色が接しているとき)
縁辺対比/ハーマングリッド効果/マッハバンド
明度対比/色相対比/彩度対比
補色による彩度対比/色陰現象
色の同化(フォン=ベゾルト効果)
対比と逆の効果で、線や点などが、ある程度細い・小さいと背景色と同化して、色の見え方を変える。ディザ効果も同じと言える。
面積効果
面積の大小によって、色の見え方は変化する。面積が大きいと、色は明るく見える。
視認性
明度差/彩度差/色相差の順番で差をつけると、見やすくなる。明度差が一番効果的である。
透明視
色の組み合わせによって、透明にみえるような効果を持たせることができる。色の加算(加法混色)によっても行なえるし、色の減算(減法混色)によってもできる。
3次元視
陰影をつけることによって、凸凹を表現することができる。大気遠近法により、コントラストが低いぼけた像より、コントラストが高く輪郭がはっきりした像の方が近くに見える。
主観色
特定の無彩色パターンを見たり、ある無彩色のパターンを回転(1秒に10回転以上)させたり(ベンハムのコマ)した場合に、パステルカラーなどの有彩色を認識する。
記憶色
写真などがきれいだねという場合は、自分が記憶している色と照らし合わせている。一般にも、記憶された色と比較をして、色を認識している場合がある。
誘目性
色が人の注意を引きつける度合いのこと。誘目価とも呼ぶ。暖色系の色は高く、寒色系の色は弱い。
進出色・後退色
色が異なると、観察者に近づいたり、遠ざかったりして見える。暖色系は進出色、寒色系が後退色で、明るい色が、暗い色より進出する。
膨張色・収縮色
図柄や形が同じでも、色によって大きく見えたり、小さく見えたりする。暖色系の色が寒色系の色より大きく見える。明るい色の方が暗い色より大きく見える。周囲の色が明るいほど、図柄の色は小さく見える。