組み合わせ数の爆発
これから原稿を書こうとするときに、A、B、Cの三つのネタがあったとしよう。それぞれは(思弁的には)等価であり、いかのようにでも並べられるとする。すると、その組み合わせのパターンは以下の6通りとなる。
ABC
ACB
BAC
BCA
CAB
CBA
3つの要素で6通りというのは、3!であり、そこまで大きな数字とは言えない。しかし、さらに3つ要素が増えるとどうなるか。6!は720であり、マジカルナンバーを7ないし9と設定しても10倍くらいの規模になっている。当然脳が扱えるはずもない。
書籍の原稿など10万字ほどの分量だと、そこで扱えるネタの数は、当然三つなどで済むはずがなく、何かしらの切断がないかぎりは、必ずこうした組み合わせの爆発が起こる。さまざまな執筆手法・構成技法は、そうした爆発の先回りした抑制であるとも言える。
バザール執筆法は、「そもそも組み合わせを考えないで書き進める」というラディカルな(あるいは原始的な)方法でこの爆発を回避している。