体系
1 個々別々の認識を一定の原理に従って論理的に組織した知識の全体。
2 個々の部分が相互に連関して全体としてまとまった機能を果たす組織体。
多様なものをまとめて統一と分節をもった全体を形成していること。天文学上の集合体 (たとえば銀河系) ,解剖学における神経系統などの組織,博物学における類種による系統的分類法などは,すべて一種の体系であるが特に理論体系,哲学体系をさすことが多い。これらは論理的に相互連関の関係におかれた思想であり,体系化によって思想の真理性が検証され,あるいは新たな真理の発見の糸口が生れる (特に科学の場合) 。この利点の反面,特に哲学の場合は体系化を主眼とすることによって現実を見誤る危険もある。 19世紀ドイツ哲学は大体系を輩出させた (たとえばカント,ヘーゲル,マルクス) が,20世紀は反体系の傾向が強く,G.マルセルのように日記体で哲学を展開する哲学者も出ている。
精選版日本国語大辞典において『哲学字彙』(1884)の用例があった。
たい‐けい【体系】
〘名〙
① 個々別々のものを統一した組織。そのものを構成する各部分を系統的に統一した全体。
※現代経済を考える(1973)〈伊東光晴〉III「まず第一に使用する水を循環させる計画を改め、新しい水を取り入れ、これを使用後捨てるという体系にすればよい」
② 一定の原理によって統一的に組織された知識の全体。〔改訂増補哲学字彙(1884)〕
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生の散歩「一つの哲学と云ひ得る体系を成してゐない」
確認してみるとSystemの訳語として「体系」が見える。
https://gyazo.com/ab2bfe73187e9cc291226a5ff57be455
https://gyazo.com/37f5c467e7b8fbe69205ab4fd0c672b1
(国立国会図書館デジタルコレクション、『哲学字彙』コマ番号68,69/156) System:系、統系、門派、教法、制度、法式、経紀、体系、経系