褐虫藻
かっちゅうそうと読みます。
褐虫藻とは共生性の渦鞭毛藻の総称です。褐虫藻はSymbiodiniaciea科の渦鞭毛藻で、それにはいくつもの属があり、またそれぞれの属にいくつもの種(タイプ)が存在します。そのため、褐虫藻といっても、遺伝的にも生理的にも多様で、ゲノムサイズや細胞サイズや光合成活性やストレス耐性が異なります。褐虫藻の生活には、共生状態と非共生状態とが存在します。非共生状態の場合、海水中を二本の鞭毛を使って泳ぐことができます。ただ、サンゴなどの細胞内に共生している場合、鞭毛を持たず、じっとしています。
サンゴと共生する植物プランクトン
渦鞭毛藻に分類される単細胞藻類
サンゴやシャコ貝など熱帯に生息する無脊椎動物と共生しています.宿主が代謝した二酸化炭素によって光合成を行い,その光合成生産物を宿主に渡すとされていますが,詳しいことはわかっていません.
近年,海水の温度上昇に伴ない,サンゴの体内から褐虫藻が排出されてしまう現象(白化現象)が問題となっていますが,サンゴが褐虫藻を追い出すのか,褐虫藻がサンゴから逃げ出すのか,わかっていません.
私たちは,その光合成を詳しく調べることで,ヒントをつかみたいと考えています.
1)Symbiodinium属の培養株
2)水槽内でサンゴと共生したSymbiodinium属
3)グレートバリアリーフのサンゴと共生したSymbiodinium属
について研究をすすめています.