北北西に進路を取れ
https://www.youtube.com/watch?v=gjihcuJRbR4
フィルムによる動画の出現で、文字を動かすことが可能になった。1899年にジョルジュ・メリエスが制作した広告で、早くも文字を動かすことが確認できている2。初期の映画ではタイポグラフィは使用されていたが、主に静的な文字を順番に表示させるものだった。オープニング・タイトルでキネティック・タイポグラフィ(動的なタイポグラフィ)が使用されるのは、1960年頃まではなかった。最初にキネティック・タイポグラフィが使用された作品は、1959年のアルフレッド・ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」である。ソール・バスがデザインしたこの映画のタイトル表示は、文字が飛んで次第に消えていくアニメーションである。1960年の映画「サイコ」でもバスは同様の技術を使用している3。 世界初のキネティックタイポグラフィが、平面ではなくパースをビルの壁面に沿わせた映像なのかっこよすぎる 見たことあります。普通に面白かった記憶。
孫引き失礼
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この映画の原題は North by northwest である。し かし、このような言葉はない。北北西という場合は Northwest by north が正しい。この点について、い ろいろな議論があった。「ノースウェスト航空の機で 北へ」というシャレが入っているのではないかとの説 もあり、いかにももっともらしかった。 しかし、ヒッチコック自身の解説によると、主人公 の混乱した精神状態をあらわしているのだそうだ。邦 題も「北西北へ進め」とか「西北北へ進め」とかした ほうが、このムードが出せたかもしれない。あわてふ ためいて、わけのわからない方角をかけまわる気分で ある。私たちにはピンとこなくても、英語国民には、 この原題が奇妙な印象を与えるらしい。ヒッチコック の芸の細かさとユーモアには敬服させられる。
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「北北西に進路をとれ」(英和対訳シナリオシリーズ 22、南雲堂、1966年5月20日、220円)の6ページから