ソシュールのすべて: 言語学でいちばん大切なこと
中学生の頃ソシュールと出会って大変に感銘を受け、人生の方向性の一部が歪んだのだが、25年程度経った今ソシュールの知識が果たしてどの程度正確なのか自信がなくなってきたため改めて入門した。
と言うわけで今回読書メモを置いておく:
1章はラングとパロールの話。
2章で恣意性、線状性の話。今プログラマとなっている時に読むと、言語記号の恣意性というのはとんでもない性質で、おかげ私たちは、電気信号だけで意味を伝えることができたりしている、と言う気づきがある。
3章で通時性と共時性。
4章では、ソシュールの議論を参考に意味について考えてる。意味は集合であると言うソシュールの指摘にも言及している。
5章では範列関係について、例えばある単語の意味を決定するには、他の単語の意味との違いを確認する手続きが必要になるといった話がされている。連辞・連辞関係についても解説されている。範列は体系であり、連辞は構造であると言う大局観。
6章は言語学の課題、特になぜ言語は(ラングは)変化するのかの議論考察をしている。そこで可易性、不易性についても紹介される。
ソシュールの指摘であり町田先生の主張でもある「検証されていない普遍性を勝手に当てはめて、合理性のない仮定を立ててはいけない」は、他の分野でも刺さる。