vol.605 思考実験はリアルじゃない
2025-08-29
・餅巾着さんからのお便り④
・波動関数の収縮
・思考実験の域
・宇宙は巨大な量子系?
・シュレディンガーの猫について
・ミクロとマクロはまったくちがう
・混合の注意
餅巾着さんのお話しからですね、続きです
『②波動関数の収縮
量子力学における、波動関数は、標準解釈であるコペンハーゲン解釈』
これも俺知らんな
『観測によって収縮します』と
収縮すんの
『動画の417でも、人間の観察(意思)が影響を与えるとありますので、
コペンハーゲン解釈を前提としていると思います。』
うーん
そうかもしれない
『2022年のノーベル物理学賞でも、ベルの不等式が破られてコペンハーゲン解釈が一歩実証に向かったようです。
ここで、「ウィグナーの友人」の思考実験によれば、「重なり合った状態にあるシュレディンガーの猫』
あ、これ知ってるな、
『を部屋の中で観測した友人」から話を聞くまでは、結局猫の状態は不明なのだから、
ウィグナーの友人を含めた部屋自体が巨大な量子系となる、という思考実験です。』
これは思考実験だからね
あの、本当の実験じゃないしだからあんま意味ないです、これは
ま、分かりやすくこういう例えがありますよと
だからこのさっきおっしゃってた、コペンハーゲン解釈とか、ベルの不等式の、分かりやすい解釈じゃないかと思います
『結局のところ、宇宙は巨大な量子系ということになり、』と
ま、そうですよ
『その収縮を引き起こすのは個人個人の観測、意思、クオリアの相互作用によるものなのでしょうか』と
これは違うね
まず「宇宙は巨大な量子系」と書いてありますけども、
そうでもありそうでもないのよ
今一般に言われている量子系っていうのは、
非常に細かい範囲、細かい系での中での、まあ、実験結果、実験結果とか観測結果なんですね
で、それをいきなりこの巨視系、
要するにつまり僕らの大きなミクロ系じゃなくてマクロ系にその結果を持って来たら、全然やっぱダメなんですよ
もうここではもうニュートン力学がほぼ大勢を占めてます
だけども、アインシュタインの相対性理論とかあって、色々こう、ま、いろんなことがあるわけよ
で、それを統一しようとして、ある程度して、してきつつあるのが宇宙全史なわけよ
ま、今はね、あの、餅巾着さんは物理を一生懸命勉強しておられるから、ま、これでいいですよ
ただし、あの、あれよあの、なんて言うんかな、うーん、
例えばそのシュレディンガーの猫、
これはかわかつ君すぐ出てくるから、この辺でまあ画像を出して説明してあげて欲しいんですけども
シュレディンガーの猫っていうのはですね、今説明してても時間ないからあれだけども、ま、ここで読んでてください
※シュレディンガーの猫
箱の中に
●猫
●放射性物質(一定確率で崩壊する)
●放射線を検知する装置
●毒ガスの入った仕掛け
を入れる。
・放射性物質が崩壊すると→装置が作動→猫が死んでしまう。
・崩壊しなければ→猫は生きている。
量子力学では、放射性物質は「崩壊した状態」と
「崩壊していない状態」が重ね合わせになっていると考える。
それに従えば、猫も「生きている状態」と「死んでいる状態」が同時に重なって存在する」ことになる。
しかし実際に箱を開けて観測したとき、猫は「生」か「死」のどちらかに確定する。
この思考実験は、
「量子の奇妙なルールを、そのままマクロな世界(猫のような大きな存在)に持ち込むとどうなるか?」
「観測するまでは、現実の状態すら確定していないのか?」
という疑問を投げかけています。
で、あの、蓋を開けた瞬間に猫が生きてるか死んでるかが決まると
で、でも本当はその前に、
猫は確率で生きてもいるし死んでもいるという確率で存在してるというのがシュレディンガーの猫で、
人間が初めて蓋を開けて生きてるか死んでるかを確定するんだという風な、ま、思考実験ですよね
だから不思議な話だねっていう風な話だけど、全然不思議でもなんでもない話なんで
実厳密にその際にね、思考実験じゃなくて検証すると
例えばあの・・・例えば言うとね、もうシュレディンガーの猫の思考実験の説明を1からやんないと、その例えばの話行けないからしませんけども、もう時間ないから
どうしよう困ったね
興味のある人は自分で調べてよ
で、おかしいなと思うことがあると思うから、
シュレディンガーの猫はね
うん、いかにもおかしいんですよ
あの、あり得ない話なんで、
ありえないというか、そんなことは実際にはないんで
ないっていうか、そういう風な例えは、適用できません、現実界にはね
※巨視系の重ね合わせは現実では即座にデコヒーレンス
箱・空気熱放射・振動が“観測者”として働き
猫が「生死同時」は保てない
「人が箱を開けるまで未定」という前提が非現実
人間だけが観測者ではない
生死を理想化した二値(0/1)に押し込める粗視化
生命状態は連続・多段で、量子二準位モデルにそのまま
対応しない
測定の切断面が恣意的
(崩壊はどこで?核崩壊→検出器→毒→猫→環境・・・)
装置自体が巨視で不可逆過程を含む
熱力学的制約:代謝・毒の反応・摩擦は強い不可逆性を生みコヒーレンスを瞬時に破壊する
「知らない=量子的に重ね合わさっている」という混同
観測者の無知による混合と純粋な重ね合わせは別物
可検証性の欠如:実験として倫理・技術・再現性の面で
成立しない(思考実験の域を出ない)
解釈依存(コペンハーゲン/多世界/収縮モデル)で
“矛盾”の姿が変わる
問題は現実というより前提の選び方
情報漏洩の不可避性:微弱な光・熱・音が外界へ散り
箱は“孤立系”になりえない
結論:現実の世界では「猫が生きつつ死んでいる」は
成り立たない
ただし、量子力学っていうのは実際あるのよ?
確率で存在して、確率で、ま、現象がこう分かれたり分岐したり色々あるという不思議な、
我々の状態から見ると、現象界からマクロ系から見ると不思議なミクロ系の現象っていうのあるんだけども
それはミクロとマクロってのは全く違うから
我々はもう、ほぼほぼ無限にあるような分子、原子に囲まれて、生活してるわけ
でもミクロ系っていうのは1個2個の原子、分子、あるいはそれをもっと細分化して、何万分の1、何億分の1にした、小さなところで起きている現象が量子力学なわけよ
が適用されるわけ
それとこの世界は違うわけよ
本当に違うの、全然違うの
で、マクロ系っていうのは別な物理学、要するに、その多粒子・・・物理学?要するに粒子がいっぱい存在してるわけじゃないですか
多粒子物理学ってのは存在すんのかな?あるのかな?
前ね、粉体力学っていうのを言ったことあるんですけども、粉、粉の力学っていうのはやっぱあるんですよ
で、いろんなその体系の、物理学ってのがあって、
その体系、系だよね要するにね、
系ってのはこの辺に出ると思うけども、
その世界、その世界の、あの、に適用できる、蓋然的に適用できる、大まかに適用できる、物理ってのがあるわけですよ
だから、それを混同させちゃダメ
で、思考実験で、一緒くたにしちゃダメですよということです
それが注意事項です
はい、今日ここまで
●物理学における「系」とは
ある範囲の物体や空間を取り出して、観測や計算の対象と
するものを「系」と呼びます。その「系」以外は外部(外界、環境)
と考える。
系と外部の間で「エネルギー」や「物質」がやりとりできるか
どうかによって分類される。
●系の種類
・孤立系
外部と一切やり取りをしない。
例:完全に閉じた宇宙全体(理想的な想定)。
・閉じた系
物質のやり取りはしないが、エネルギーのやり取りは可能。
例:ふたをした鍋(熱は逃げるが、中の水は出ていかない)。
・開いた系
エネルギーも物質もやり取りする。
例:人間の体(食べ物や酸素を取り入れ、熱を放出する)。