vol.525 これが理解れば一人前
2025-05-29
・古川くんが街を作ったら
・街にはラーメン屋くらいないと
・エイジングしたものの良さ
・鈍色とは
・侘び寂び
・理解るようになったら一人前
はい。今、中国の話しましたね。で、中国でいい自然とか、その町並み。
ボロボロなんだけどね、ちまちまちまちましてて、何かこう、土壁?土塀?なんつうの土の壁?で出来たのがこう、狭いとこで、こうあるわけですよ。
で、池があって、川があって、運河があって。で、屋敷があってとか、蔵があってとかですね。
道端はすぐこう窓があって、で、窓の中にテレビがあるんですよ。わかんないよ?こう閉まってるから。ガラスで、すりガラスがあって、で、テレビの音が聞こえてくるんですよ。で、笑い声とか聞こえてくる。
もう本当、1軒で一間ぐらいなんですよね。そういう家が延々続いてるわけ。
もうすごくいいよ、本当に、そこで死んでもいいぐらいの。
古川くんはね?古川くんはそういうの好きなんですよ。その情緒っていうか、日本にも昔はあったようなところが。
だから30年から50年ぐらい、中国のその民間のとこは遅れてたよね。
遅れてたつか、あの、遅れてた、歴史がね。だからすごいいいのが残ってたの。
あれはだからもう今全部なくなってるよ、きっとね。でかい道通されて。
かわかつ)
それってやっぱ1人1人が作ったものだからいいってことなんですか?
1人1人、1人1人が作った?ん?
かわかつ)
なんか工業製品っぽくないっていうか。
おっきい都市開発で決まった道じゃなくて、個人個人が思うように作ったからいいものが生まれる?
そんなことないよね。都市開発でも、ちゃんとした人たちが作ったらいいよ?
ちゃんとしたアーティストとか、だって古川くんなんかやったらすごいの出来るよ、本当に。
ただ、許さないだろうね、きっと。
古川くんなんかが作ったら、あれだよ、ぐっちゃぐちゃしたの作るから。
あの、なんだっけ?クラブとか飲み屋とか、あとなんだっけ。赤線?もう、まずは基本それだよ。それがなきゃダメだから。それがまず基本あって、それからスーパーだとか色んなそのショップがあって、最後に国会とか、そういうのがあるんだよ。そんなの1番後回しだよ。
まず、その庶民の住むとこでも、だから、だから、どこに住みたいとかってあるじゃないですか。
まず住む場所があって、ああ…今あれでしょ?綺麗なとこに住みたいとかあるわけでしょ?
で、どっか、ほら、白金とか行くと、あれでしょ、ショップ作っちゃダメとか、コンビニ作っちゃダメとかあるわけじゃないですか。
だから超不便だよ。でも、あの人たち不便と思わないよね。お手伝いさんいるから、買いに行かしゃいいんだから。
でもね、やっぱりラーメンとか食いたくなると思うんですよね。
今度、「裏・御祭舟」であの「参宮橋には魔女がいる」の第1回目はあの、ラーメン屋さんが出てくるんですよ。参宮橋にあるラーメン屋。すごい美味しいラーメンで。
前、一応喋ったかな?あんまし喋ると古川くん怒るからもう喋んないけども。
まあ、ラーメン屋ぐらいなきゃダメだよね。
だから、作る人によるよ。
庶民が作ったからっていい家ができるわけじゃないから、別にね。
ただ、その古びてくと、エイジングっつうの?エイジングって知ってる?
古くなってく、と、味が出てくるじゃないですか。あと、自然と調和してくるでしょ?エイジングしてくと。
それが、その良さがわかんないんだよね。
たぶん孝さん、それは分かると思うんだよ。自然の良さだけじゃなくて。
その人間のものと、作ったものと、その自然が馴染んできたと。で、それをエイジングと言うか、馴染むって言うかはまた別の話だけど。
ただ単に古くなったものってのは、その薄汚なくなったものもあるけども、そうじゃなくて、やっぱしね、エイジングしたものってのは、アンティーク?やっぱ味が出てすごくいいよね。
かわかつ)
鈍色(にびいろ)にも似た概念?
そうそう、鈍色ってのがあって、概念があって。ブリキのおもちゃで、鈍色になったねって、いい色になったねってあるんですよ。
それは、昔は鉛塗料を使われてたんですね、プリントに。昭和の何年か前にね、昭和30年より前かな?それぐらい、大体だよ?
そうすると、それがやっぱ経年で、鈍色って鈍(にぶ)色、鈍化の鈍だよね。鈍化の色って書いて鈍色って読むんですよ。
けども、ちょっとね、緑青(ろくしょう)かかって。緑青って知ってるかな?銅のサビだよね。グリーンのサビが出来るんですけども、ちょっと緑青がかった鈍色になって、すごく照りが良くなって良い色になって、本当にアンティークになってくるんですよ。
今の人は全然言わないからわかんないと思うけども、あれは逆に高く、本当は色が変わったから安くとか今言ってるけども、本当は高くなっていいんだよね。高くしたいよね、まんだらけは。
だから、骨董とか集める人いるじゃないですか。
だから貫入(かんにゅう)って言って、茶碗でヒビが入ったものなんかも、わざわざ金とか銀とか、あるいは糊とかでですね、直したのをかえってそれで、いいと、完全に直してしまうよりはね。その趣がいいってなったりするわけですよ。
だからその侘び寂びの感じ?それがエイジングであり、アンティークでありってことですね。
それが分かるようになったら1人前だね。
はい、今日ここまで。