vol.460 エントロピーと確率
2025-03-25
・OTNさんからのお便り①
・100%を超える確率についての考察
・エントロピーと確率
・分子÷分母
・認識の枠組み
おはようございます。今日はですね、今年の1月24日に来たOTNさんからのお便りですね。
『目風様
OTN(オーティーエヌ)と申します。1を超える確率というのは、AIでなくても大変興味深い問いかけです。』
興味を持っていただいたんですね。
『確率が100%を超えるとはどういうことなのか? 2つの考えと、関連して新たな疑問が出てきました。』
何でしょう?
『理解を深めることに少しでも役立てばと思い、拙い考察なのは承知で投稿いたします。
(1)未来が強く定まっている
確率とは将来のことです。私たちの住む世界(あるいはオーム宇宙)では、最大100%。これが100を超えるということは、将来に起こることが予め強く確定していることではと思いました。そんなことが起こる世界というのは、放っておくとエントロピーが減少する世界なのかもしれません。これと反対なのが、私たちの世界です。放っておくとエントロピーが増大し、乱雑度が高まる。』
うん、そうですね。
『将来のことは確定できないが、ある程度の可能性は見える。それが確率。確率が出ていても、人やそのほかの要因が介入することで、0から100の範囲で変動できる可能性はあります。』
なるほど?
『これに対して、放っておくとエントロピーが減少する世界では、』
要するに、物事がだんだん整然となっていくっていう世界ですね。
『何もしなくてもものごとが秩序だっていく。(どういうふうに秩序だっていくのかは人智を超えた話という気がします。)
ただしこれも、人やそのほかの要因が介入することで、決まったもの以外の未来も作れるかもしれません。仮に確率が110%ならば、人間が物凄く頑張れば変える余地もありうるとか。これが200%や300%になってくると、実際には人間が変えることなどできず、決まった未来に向かって物事が秩序だっていくという世界なのではと。』
と考えるわけですね。
OTNさんは。
『ただ、そもそもこういう世界があったとしても、そこには生命というものがあり得ない可能性もあります。』
そうなの?
『放っておけばバラバラになっていく世界の中で、自分が生存するためにものごとを整えていくのが、微生物から人間にいたるまですべての生命のありようだからです(何かで読んだ受け売りです)。
(2)認識が不十分である
確率は、分子÷分母という分数で考えられます。』
そうだね。
『分母:すべての事象(例えば、サイコロの6つの目すべて)
分子:特定の事象(例えば、1という目)
確率が1を超えるということは、分母より分子のほうが大きいということです。』
https://scrapbox.io/files/67e2929fcea2490ef683b68d.png
そうだね。
例えば、3分の6とかですね。3分の6は2だね、200パーセントだね。
まぁ5分の7とかね。そういうやつだよね。
『これが起こるとすれば、人間の認識が不十分なために「すべての事象」を把握しきれず、分母が小さめになっているからです。』
「分母が小さめになってるから」…だね。だから「人間の認識が不十分なために、すべての事象を把握しきれず」っていうことですね。
『把握していなかった分子が発生することにより、結果として100を超えた確率になるということです。』
うん、そうだね。
『例えば、サイコロを初めて見た人が、一方向から1・2・3の目だけを見たままに、1・2・3のいずれかが出る確率が100%だと考えたとします。しかし実際には4・5・6の目もあるので、何らかの目が出る確率は200%となります。』
え、そうなの?
「何らかの目が出る確率は200%」?
『これは、認識が不十分なために、想定していなかった事象が発生するということです。』
これちょっと意味わかんないな。これ分かります?
かわかつ)
多分1、1、2、3の他に4、5、6が隠れてるから1、2、3が100%と思ってるけど、4、5、6も隠されてて200%なんじゃないかなっていうふうに
「何らかの目」だよね。何らかの目だから、別に4、5、6が出てもいいんだ。
「出る確率は200%となります」と、何らかの目が出る確率?1、2、3のいずれかが出る確率は100パーセントだよね。でも、4、5、6が隠れてるから「何らかの目が出る確率」は200%か。そうか、それは合ってるね。この人、難しいことを言ってくるね。
「想定していなかった事象が発生するということです」
これ、認識がね、不十分なために。
いいとこ言ってくるね、この人頭いいね。
『サイコロの極端な例はさておき、私たちは誰しも自分なりの認識の枠組みを持っていて、何かを見たときには自分の認識枠組みに照らして判断しています。』
その通り。
『しかし、どこまでいっても人智の認識を超えたものごとは存在します。』
うん、そうだよね。それは私も身に染みてます。
ちょっと長くなりますんで、この続きは次回やりましょう。