カード法の選択にあたってはコンテキストを踏まえる必要がある
(倉下)やっぱりどういうプロセスで素材がどう活かされるのかっていうことを考えて、そこでカードがどう役に立つのかっていうことを考えないといけないんだろうなと。で、僕は論文は書かないけど、論文技法についてかなり詳しく学んできたんですけど、少なくともカード法について言えばテーゼをどう扱うかを決めないままに、カード法にこだわっても、あんまり得るところは少ないんだろうなというのが、今の自己認識ですね。 (倉下)コンテキストが示されない中でカードの使い方を示すことはちょっと無理があるなと思いつつも、でも例えば『知的生産の技術』っていう本が、学者向けの本ですという定義で仮に書かれてたとしたら、そこまで売れてなかったでしょうし、実際あの本が目指すところはもっとシビックに開かれた技術で、ある程度そこにいろんな人がいろんなものを読み込むことができる。だから梅棹が具体的に示さなかったのはおそらくそのためで。