一足先にtr-imeを試す
tr-ime
Emacs での Microsoft IME を使った日本語入力を快適にするためのモジュール。
IME パッチ相当のことをダイナミックモジュールで実現しているため、GNU で配布されているバイナリをそのまま使うことができる。
UI/UX 部分は別途 w32-ime.el というパッケージをインストールする必要がある。
tr-imeをパッケージとしてEmacsにインストールする方法
tr-ime は現在 MELPA などのパッケージアーカイブで公開されていないため、単純にM-x package-installなどでインストールすることはできない。
quelpa を使えば自分の PC 上でパッケージ化し、package.el のパッケージとしてインストールすることができる。
tr-imeパッケージをquelpaでインストール
必要なもの
システム
Git for Windows(quelpa がリポジトリを git でローカルにダウンロードするため)
Emacs
qulepa パッケージ (MELPAで公開されている)
tr-ime パッケージをインストール
下のコードを実行すれば quelpa で tr-ime をインストールできる。
code:lisp
(unless (package-installed-p 'tr-ime)
(require 'quelpa)
(setq quelpa-checkout-melpa-p nil)
(add-to-list 'quelpa-melpa-recipe-stores
'((w32-ime :fetcher github :repo "trueroad/w32-ime.el")))
(quelpa '(tr-ime :fetcher github :repo "trueroad/tr-emacs-ime-module" :files ("lisp/*.el"))))
細かい説明
qulepa-ckeckout-melpa-pをnilにして、melpa リポジトリをgit cloneしないようにしている。
上の設定をしたので、tr-ime の依存パッケージである w32-ime パッケージのレシピを明示するする必要がある。
tr-ime パッケージの機能をロード
(tr-ime-standard-install)か(tr-ime-advanced-install)を呼び出すだけ。
初回の呼び出しの場合モジュールをダウンロードするか聞かれる。
yesと答えれば、インターネットからダウンロードされて、モジュールがロードされる(つまり自分の環境でモジュールをビルドする必要がない(!))。
w32-imeの設定
tr-imeはw32-imeと一緒に使うことを前提としている。
最低限のw32-ime用の設定
code:lisp
(setq default-input-method "W32-IME")
(w32-ime-initialize)
w32-imeの設定をしておけば、EmacsからMicrosoft IMEのオンオフを操作することができる。
(tr-ime-advanced-install)を使えば、逆にWindowsでのMicrosoft IMEのオンオフをEmacsのインプットメソッド (leim) に反映することができる。
感想
(tr-ime-advanced-install)のほうが高機能で不具合にも遭遇していないので、(tr-ime-advanced-install)を使うのががよさそう。
未確定文字列のフォントを変更できるのがとても良い。
ちなみに、tr-ime, w32-ime パッケージは Microsoft IME (日本語入力)限定というわけではなく Microsoft Pinyin でも使えるようだ(Microsoft Pinyin では Ctrl を押しながらスペースで中/英をトグルする)。