スマホ片手に文学入門
- はじめに p.5
そこで、本書なんです。
この『スマホ片手に文学入門』は、私たちに読みの自由を教えてくれる〈文学理論〉を──もちろんその一部も一部ではありますが──わかりやすく、かつ具体的に実践していくことをテーマとする一冊なんですね。
- はじめに p.6
え? 「どうして『スマホ片手に』なんですか?」ですって?
それはですね、スマホ (でなくてもいいのですが) であれこれ調べながら読むことによって、文学は、もっともっと面白く楽しめるようになるからなんです。ウィキペディアやコトバンクなどを活用することで、〈文学理論〉だって、きっと手軽に実践できるものとなる。
- おわりに p.273
本書で紹介した方法──例えば、何かしら気になる語句や表現などと出会ったら、 スマホでちゃちゃっと調べてみて、そこで得た情報を解釈に活用してみる。あるいは、 作品中の〈対比〉を探し出して、そこを起点としてあれこれ考えてみる。そして、自 分なりに〈コード〉を組み立ててみて、その〈コード〉を参照しながら同じ作品をもう一度読んでみる
- おわりに p.276
それならば、文学の解釈におけるルールとは何か。
それは、〈根拠を示すことです。
自分がその作品から何かしらの意味を導き出すとき、あるいは誰かの解釈を批判するとき、「なぜそのように読めるのか」「どうしてその解釈はおかしいと言えるのかということを、きちんと説明できること。
それが、文学の解釈というゲームを面白くするための、たった一つのルールです。
- 3 章 宮沢賢治「やまなし」 p.150
本書のコンセプトは、〝解釈を楽しむ”こと。 あるいは、" スマホを片手に、文学作品に自分なりの意味を読み込んでみることです。
- 3 章 宮沢賢治「やまなし」 p.164
自分なりに読み取った内容を〈コード〉として参照しながら作品を再読し、そこに新たな意味を解釈する。
- 3 章 宮沢賢治「やまなし」 p.272
作者を〈コード>の一つとして相対化すること。
作者という〈コード〉は他の〈コード〉に対して決して優先的な位置にあるわけではないということ。
たとえ「作者」への焦点化を選ぶにせよ、そのことは、常に意識していただきたい。