「気づく」とはどういうことか
第1章 「わかる」ための素材
心像という心理的な単位を縦に並べたり、横に並べたりして、それらの間に関係を作り上げる
今・現在自分のまわりに起こっていることを知覚し続けている心像
その知覚を支えるために動員される、すでに心に溜め込まれている心像
名前をつける:記憶心像+音声記号を貼り付ける
第2章 「わかる」ための手がかり―記号
第3章 「わかる」ための土台―記憶
われわれの行動はすべて過去の記憶から導き出される
反射
情動反応
個体が生まれてから獲得してゆくタイプの記憶
出来事の記憶
出来事の記憶(一回限り)→ 類似部分の繰り返し → 意味の記憶の形成
出来事の記憶 → 同じ出来事(行為) の繰り返し → 手順の記憶
記憶という土台が出来上がって、初めてわかるとか、わからないとかいう心理的な反応(感情) が生まれる
第4章 「わかる」にもいろいろある
全体像が「わかる」
整理すると「わかる」
筋が通ると「わかる」
空間関係が「わかる」
仕組みが「わかる」
規則に合えば「わかる」
約束による手順は、その手順を進行させている間、何かを感じることない。進めるしかない
心は、そうだ、わかった! と答えてくれない
第5章 どんな時に「わかった」と思うのか
直感的に「わかる」
「わからない何か」が自分の中に立ち現われるからこそ、「わかろう」とする心の働きも生まれる
頭が解くのでなく、いわば身体が解いてくれる
心は心なりにある必然的な方法で、疑問を処理し、答えに到達している
まとまることで「わかる」
ルールを発見することで「わかる」
置き換えることで「わかる」
第6章 「わかる」ためにはなにが必要か
「わかりたい」と思うのはなぜか
必要なものを選択するたびに、エントロピーが減少します。つまり、秩序が増大します。情報が生まれるのです。
その力の根源は嵐の中を吹き飛んでいるものの中から、必要なものを選び出す、という情報処理装置にあることが理解出来ます。
心は多様な心像から、意味というより高い秩序(別の水準の心像) を形成するために絶えず活動している
意識は情報収集のための装置です。情報収集とは、結局のところ秩序を生み出すための働きです。
わかる、というのは秩序を生む心の働きです。
わからない
わからないとは、何か新しい問題に直面したとき、これは自分の頭にはおさまらないぞ、という感情です。心の異物感です。
「わかったこと」は行為に移せる
知覚―運動変換過程の進化という視点から、動物進化の大きな流れをみますと、心理表象という現象は知覚―運動過程の中間に挿入されたチェック機構だと考えることが出来ます。
終章 より大きく深く「わかる」ために
情報処理水準
形態弁別段階<意味理解段階意味理解段階の処理は形態処理段階に比べて処理が深い
答えが自分の頭の中に用意出来るタイプのわかり
答えが自分の外(自然とか社会とか) にしか存在しないタイプのわかり