第4章 アーティファクトを人間に適合させる レジュメ
一般に、アーティファクトがわれわれの認知の能力を変えることはない
アーティファクトが変えるのはタスクだ
人間+アーティファクトの組み合わせからなるシステムの能力は拡張される
個人の能力はそうなるわけではない
パーソナル・ビュー
アーティファクトはタスクを変える。
システム・ビュー
人間+アーティファクトの組み合わせは、どちらか一方だけよりもすぐれている。
われわれは
アーティファクトを設計するための
より良いアーティファクト、より覚えやすく使いやすいアーティファクトの作り方を教えてくれる科学を
打ち建てることができるだろうか?
## 表層表現と内部表現
われわれがアーティファクトを理解するのは、知覚できるものを通してである
アーティファクトによっては、知覚できるものでは不充分なこともある
表層的アーティファクト
目に見えるものがそこにあるもののすべてである
内部的アーティファクト
情報の主要な部分がユーザーには見えないアーティファクトの内側に、内的に表現されている
表層的アーティファクト
道具の目に見える「表層」に記号が保持される
「表層表現」と著者は呼ぶ
内部的アーティファクト
インタフェースが必要となる
インタフェースとは、
内部表現に潜んだ情報を表層的な形態に変換して使えるようにする何らかの手段のこと
表層表現しかもたないアーティファクトには
表層表現自体がインタフェースとなるから
特別のインタフェースは必要ない
### 表層表現の性質
アーティファクトの中には能動的なものもある
自分自身で表現を変えることができるものである
表層表現を外部に残せば、人間の表層表現の限界を乗りこえることができる
デザインにおける最大の問題
表層表現を正しく定めること
設計の科学が始まる
役立てるために、情報をどのように表現しなければいけないのか?
## 表現をタスクに適したものにする
われわれは数学や記号の論理で機能しているわけではない
知覚的なルーチンによって機能している
われわれは知覚的な判断は得意だ
われわれは抽象的、記号的な判断は不得手だ
われわれが知覚しているものは必ずしもそこにあるものではない
アーティファクトの表層表現によって
われわれに情報がどう提示されるかという点で大きな違いが生じる
適切性の原則
アーティファクトが用いる表現タスクにちょうど見合った情報を与えなければならない、過剰であっても足りな過ぎてもいけない。
表現というのは、分類・整理と検索の両方に関係しているので、どうするのが適切かは、タスクに依存する
表現のシステムが強力すぎると
人間は実際の情報が保証している以上の結論を引き出しがちになる
表現の形式が弱すぎると
情報の表現に自然さが欠けるせいでユーザーの処理の負担を増す結果になる
あるタスクに向いた表現があり、別のタスクに向いたものがある
## 表現を人間に適合させる
扱い切れないほどの情報を、われわれは与えられている。
人間には意味のあるアクセス可能な表現が必要である。
情報メディアは必ずしも人間にとって扱いやすい形態になっていない。
今日、われわれは情報をベースにしたテクノロジーの世界に生きている。問題は、これが目に見えないテクノロジーだということである。
認知のアーティファクトについて、なすべきタスクの本質と人間の能力とを考慮に入れなければならない。
アーティファクトの中で最善のものは、タスクに完全に適合してそれと同化してしまい、目に見えなくなる。また、それを使うことが喜びとなるのである。
## テクノロジーにはアフォーダンスがある
われわれは、知覚されるアフォーダンスのうち、いちばん目立ったものが誘うやり方でモノを使おうとする。
アフォーダンスとは、それで何ができるか、ということである。
アフォーダンスによって易しくなるものはなされ、アフオーダンスによって難しくなるものはなされない。
妥当なはずのアイデアがメディアのアフォーダンスのせいで非人間的なものになってしまう。