00137_年配の方とのコミュニケーションで気をつけたいこと
先日病院で見かけたあるシチュエーションに驚きました。詳細は以下の通り。
老夫婦とおそらくその息子が病院で会計待ち。おそらく歳の頃は老夫婦が80代、息子が40代と言ったところ。
老夫婦のご婦人は息子に、会計待ちの間に車を駐車場から病院の入り口に回しておいて欲しいとリクエスト。
一方で息子は、(ここまでの経緯は不明なのだが若干イライラしていて)病院の入り口前は駐停車するスペースはないので、そこで長くは待てない。だから車を回すのはいいが、遅れずに早く来るようにリクエスト。(早く来れるかどうかは会計のスピード次第なのでこれは若干無理難題、というのはさておき。)
それを聞いてる最中もご婦人は「うんうん、うんうん、うんうん」と相槌を多めに繰り返す。
息子が駐車場に向かって立ち去ったあと、ご婦人が夫に向かって一言「今、なんて言ってたの?」
夫は夫人に、もう一度正しく息子が言ってたことを説明。
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(写真は記事とは無関係。和む用のイメージです。)
あんなにウンウン頷いていたのに。。。と思ったのですが、調べてみると色々原因はあるようです。全て調べ切った訳ではないですが、老化による聴力の低下や、APDという病気も考えられるので、一概に大きな声で繰り返し話してもダメなんですね。
感音性難聴:高い音から聞こえなくなる。高齢者の耳が遠くなる加齢性の難聴もこの一つ。日本語だと子音が高い音なので、子音だけが聞こえなくなる。(例:「さかな」が「あああ」に聞こえる)
APD(聴覚情報処理障害):「Auditory Processing Disorder」の略で「音としては聞こえるのに言葉として聞き取れない」というのが主な症状。聴力には問題がないため、聴力検査では異常は認められない。
家族でも、街中で出会う人でも、こういう可能性だってある訳ですよね。そして、聞こえないことに慣れている人は、もう大抵のことは聞き返すことはやめて、「(後でまた確認すればいいや)ウンウン」と流していくことも往々にしてあるだろうな、ということは、きちんと認識しておく必要があるな、と強く感じました。
でも、普段から接している家族だと、やっぱりどうしても「もー!いっつも聞き返される!」とか「さっきウンって言ってたのに忘れてる!」なんてイライラしてしまいがちですよね。これ、私も心当たりがあります。が、それは相手が聞いてない訳でもなく、忘れてしまった訳でもなく、最初から認識できていない状態を流してしまっている、という可能性も疑うべきかもしれません。このことは忘れないようにしようと思い、ここにメモしておきます。
この対応として、非常に単純ですが心に留めておいた方がいいのは、「聞き返されたら言い換える(そのままの言葉を繰り返さない)」ということと、「相手にも発意してもらう(ウンウン頷いているだけで会話を終わらない)」ことかと考えています。前者は当たり前だし簡単なので、こちらが意識してさえいれば良いのですが、後者はなかなか難しいかと。まさか単純に相手の理解を繰り返してもらう訳にもいかないので、会話の流れをうまく整えて、相手にしてもらいたいこと、理解してもらいたいことを相手にも表現してもらう、ということなんですが。例えば先の例でいくと、「えーっと、じゃあ入り口に車回すけど、車停めてられないかも。その時はどうする?」で相手に投げかけてみる、とかですかね。もし聞こえてないor理解できていないと、流石に「ウンウン」の繰り返しで気付きますし。
年配の方に多いだろう、というだけで、若くても同様のケースは程度の差こそあれあるかもしれません。その意味でタイトルは厳密には適切ではないかもですね。しかし、病院の待合などでよく聞こえてくる「老夫婦の付き添いの息子/娘がイライラしてツラく当たる」という状況は、聞いてても気持ちのいいものではないので、人のフリ見て我がフリも正したいな、と思った気持ちを残しておきたく、長く冗長ですがメモしておきました。
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