集団モデルとガバナンス
価値観の共有非共有をベースとして集団モデルがどう合意形成していくのか。
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壁の正体の話に入る前に、それなりの前振りが必要です。全然関係なさそうに思われるかもしれませんが、組織のガバナンスを考えるためには非常に参考となる話です。それは、社会の統治に関する話です。実のところ、組織だろうと社会だろうと、スケールの違いだけで、ガバナンスの視点は本質的に同じなのです。 https://gyazo.com/57a302bdcbf3d312cd53c284a4d96982
価値観を共有しない分散モデルについて考えてみましょう。理想的には、すべての人との合意形成ができれば、その集団(たとえば、社会)はうまく回ります。人間ひとりひとりが知性(理性)を持ってさえいれば、合意形成は、理論上は可能です(知性モデル)。ところが、実際にはそうはいきません。なぜならば、人間は必ずしも合理的な行動をとるとは限らないからです。 そこで、次善の策として、それを統治する機関(たとえば、国家)が樹立されることになります。これにはいくつかのパターンがありますが、第二次世界大戦や冷戦を経た現在では、独裁モデルが破綻するであろうことは容易に想像ができるでしょう。人々が価値観を共有しない状態では、上位機関から行動を強制されることになり、不満が溜まるからです。 以上のような分散モデルに対して、価値観を共有する統合モデルの集団は、極めてスムーズに機能します。なぜならば、価値観を共有しているので合意形成が容易だからです。合意形成で問題となるのは究極的には裁定の価値基準ですが、価値観を共有する統合モデルは、この価値基準を明確にできるのです。
統合モデルを機能させる特徴は、ロジックではなく、明確な価値観である。 https://gyazo.com/6fa91df917d7d804255847e43ec623b8
価値観の共有が不徹底な組織が規模を拡大すると、必然的に機能不全域につっこむ 少人数から組織がスタートする場合、明確な価値観を共有しなくとも問題が起こらない。
集団規模が小さければ、知性による合意形成が可能なため。