超球
読み:ちょうきゅう
英語:hypersphere など
球の4次元版(または一般次元版)。
名称・記号について
中身が詰まっているのを超球体(hyperball)、詰まっていないのを超球面(hypersphere)と呼び分けることが多い。
超球体は別名を4次元球体、4-球体(4-ball)とも。超球面は別名を3次元球面、3-球面(3-sphere)、グローム(glome) とも。
超球体は記号$ B_4、超球面は記号$ S_3などが使われる。数字は上付きのこともある。
超球の半径が$ rであるとき、その4次元体積は$ \frac{1}{2}\pi^2 r^4であり、3次元表面積(“表体積”?)は$ 2\pi^2 r^3である。これらは積分を使って求めることが多い。(導出は超球帯とか超球冠とかもろもろのページに書いた。) どちらも円周率の2乗の出現が特徴的である。
コクセターが次のように述べている。
たとえば、円周の長さは$ 2\pi rであり、球面の面積は$ 4\pi r^2という事実から、うっかりすると超球の超表面の超面積(体積)を$ 6\pi r^3あるいは$ 8\pi r^3と見積もってしまうかも知れない。が、計算の助けなしで類推を使用すると、正しい式$ 2\pi^2 r^3が導かれる可能性は低い。
―― コクセター: 『正多胞体』, 丸善出版(訳書2022), 119ページ
類推だけで事を進めるのはときに危険である。
その他の性質
先述した半径$ rの超球の、1辺$ 2rの超立方体に対する4次元体積比を求めると$ \left. \left( \frac{1}{2}\pi^2 r^4 \right) \middle/ \left( 16r^4 \right) \right. = \frac{\pi^2}{32} \approx 0.3084となる。これは、箱に玉を1つだけ詰めたときの隙間が大きいと読解できる。
これに相当する3次元での体積比は$ \frac{\pi}{6} \approx 0.5236であり、玉が箱の半分以上を占めていたのだが。