ステレオグラフ射影
読み:ステレオグラフしゃえい
英語:stereographic projection
球面を(1点を除いて)平面に投影する方法の一つ。中心投影法の一種。
名称について
「ステレオ投影」「立体射影」とも。
射影と投影に意味の違いはほとんどない。
https://scrapbox.io/files/6747359783ea69015985f1f7.png
以下の説明はWikipediaよりは平易に書いたつもりだ。
球面→平面の場合
3次元空間において、原点中心の単位球面$ S_2: x^2+y^2+z^2=1を平面に投影したい。
「投影の中心」となる、「光源」とか「視点」と呼ばれる点を球面上の1点にとる。ここでは「北極」$ N(0, 0, 1)にとった場合で説明する。
投影先である「スクリーン」のおき方には、大きく2通りの流儀がある。
対蹠点である「南極」$ S(0,0,-1)における接平面$ z=-1
↑に平行で球の中心を通る平面 $ z=0
どちらを選んでも出来上がる図には相似の違いしかない。僕は後者を採用する。そのメリットには計算のしやすさや、赤道上の点が不動という特徴がある。デメリットとして「光源」という言葉が似合わなくなる。
視点から出る半直線が球面上の(光源以外の)点 A とスクリーン上の点 B を通るときに$ f(A)=Bと定める。
スクリーンを平面$ z=0にした場合、
この対応は$ f(x, y, z)= \frac{1}{1-z}(x, y)と表せる。(導出のヒント:ある相似を利用せよ。)
円柱座標を利用して$ f(r \cos t, r \sin t, z)= \frac{r}{1-z}(\cos t, \sin t)とも表せる。
ただし、$ r^2+z^2=1に注意せよ。
つまりこれは球面上の高さ$ zの点を平面上の半径$ \frac{r}{1-z}=\sqrt\frac{1+z}{1-z}の円周上に移している。
逆にいうと、平面上の原点からの距離が$ sの点はもともと球面上の$ z=\frac{s^2-1}{s^2+1}なる点から来ている。
これをもとに計算すると、$ fの逆変換の式は
$ f^{-1}(s \cos t, s\sin t)=\frac{1}{s^2+1} (2s \cos t, 2s \sin t, s^2-1)
$ f^{-1}(x, y)=\frac{1}{x^2+y^2+1} (2x, 2y, x^2+y^2-1)
(なお、スクリーンを平面$ z=-1にした場合は式が変わる。例えば$ f(x, y, z)= \frac{2}{1-z}(x, y, -1)となる。他は各自やってほしい)
超球面→3次元空間の場合
では次に、4次元空間において、超球面$ S_3:x^2+y^2+z^2+w^2=1を3次元空間に投影したい。
先ほどの結果から推して知るべしといったところ。
視点を$ N(0,0,0,1)としてスクリーン$ w=0に投影する場合、次のような式になる。
$ f(x, y, z, w)=\frac{1}{1-z}(x, y, z)
$ f^{-1}(x, y, z)=\frac{1}{x^2+y^2+z^2+1} (2x, 2y, 2z, x^2+y^2+z^2-1)
球柱 ※書きかけ座標でやってもよいが、球の極座標を考えるのは面倒。次の表示でいいだろう。 $ \left(x'\right)^2+\left(y'\right)^2+\left(z'\right)^2=1なる単位球面上の点を適当な正の数$ r, sで変倍することで点を表して
$ f(rx', ry', rz', w)=\frac{r}{1-z}(x', y', z')
$ f^{-1}(sx', sy', sz')=\frac{1}{s^2+1} (2sx', 2sy', 2sz', s^2-1)
ただし$ r^2+w^2=1
特徴(次元によらない)
北極を視点とする場合
南半球の像は赤道より内側にでき、歪みが小さい。北半球の像は赤道より外側にでき、北に行くほど像が急激に肥大し、無限遠に向かう。
円円対応があるはず。(たぶん)
関連
参加しました
投影後の平面(空間でも可?)における計算にメビウスジャイロベクトルが有用とのこと。