アナとカタ
英語:ana and kata
ヒントンの造語。3次元から直角にはみ出る、通常の語彙では表せない方向。
名称について
ギリシャ語からの借用らしい。ギリシャ語としての意味は、アナは「上へ」、カタは「下へ」だという。
古典ギリシャ語では前置詞または接頭辞(造語成分)。現代ギリシャ語では接頭辞のみにこの意味を残す。
竹内建は、「日本語の“あなた”と“かなた”っぽいけど無関係ですよ」的なことを言っておどけてみせた。
w 軸に平行に動く方向が ana/kata なのかというと、そうとは限らない。軸との対応は特に決まっていない感じがする。 ジェフ・ウィークスの作ったアプリ『4D Maze』でも使われた。(上記竹内建はこの訳者。)
CodeParade の作ったゲーム『4D Golf』における仕様では、次のような画期的な使い分けがされている。 カメラの向きに依存して変わる相対的な方向としては、 ana と kata が使われる。上/下, 前/後, 左/右の全てに直交する方向が ana/kata となる。
マップ上の方角を示すための絶対的な方向としては、新たに anth と kenth という用語が使われる。上/下, 東/西, 南/北の全てに直交する方向が anth/kenth となる。このゲームの造語だろうか。作中の方位磁針の A/K が示すのはこっち。
日本語モードでは、anth と kenth はそれぞれアナ方とカタ方と訳された。
余談
もちろん、元来は4次元的な意味をもたない言葉で、他のさまざまな単語の造語成分となっている。ただし、英語ではカタのつづりは cata- となることが多いようだ。日本語に入ってきたものには以下がある。
気象分野のアナバチック風とカタバチック風(katabatic wind)、電気分野のアノードとカソード(cathode)、生物・筋トレ分野のアナボリズムとカタボリズム(catabolism)
関連
文献
古川晴風: 『ギリシャ語辞典』, 大学書林(1993)