生成AIでビジネスと日本社会はどうなるのか
人からよく尋ねられるので、自分なりの見解をざっくり書いておきます
生成AI=CharGPTみたいなやつ、という認識で大丈夫
自分なりの結論
人間に残る最後の仕事は「責任を取ること」になる
日本社会にとって辛い時代がやってくる
解説
人間に残る最後の仕事は「責任を取ること」になる
責任を伴わない作業はすべて生成AIに取って代わられる 賃金格差が激しくなる
「責任を取る仕事」ができる人はより多くの仕事がこなせる
生成AIによって作業にかかるコスト(オーバーヘッド)が減り、より多くの責任を持てるようになる
現在も責任を取る仕事(=経営層、マネージャー層、コンサル等)の給与は高いが、更に高くなる
「責任を取らない仕事」しかできない人は仕事が減る、あるいはなくなる
残る仕事があるとすれば、生成AIがカバーできない範囲の仕事
ぐちゃぐちゃで手間のかかる質の悪いタスク
日本社会にとって辛い時代がやってくる
ゼロリスク信仰だと仕事に就けなくなる
リスクとそれに伴う責任の忌避
若い世代ほど責任の取り方が分からず、困る
責任を分担する身近なロールモデルの消滅
例)家父長制
役割
男=外向けの責任
女=内向けの責任
最近は男女平等の下にジェンダーロールが解体されて、それぞれが担っていた責任もどっかいった
男女平等←いいね
誰も責任の取り方を知らない←こまるね
責任の取り方が分からない状態で仕事をすることになる
資本主義
仕事をしないと食っていけない
仕事をすると責任に押しつぶされる
メンタルをやられる
死にたくないので、できること
責任やリスクについて再認識する
リスクはコントロールできる
リスクは多いか少ないか
あるかないか、ではない
小さい責任から始めて、次第に大きい責任を負えるように訓練する
権限委譲
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ここ10年ぐらいの未来を想定して書いた。
もっと先の未来に資本主義がどうなるかは全然わからない。
というのも自分の書いたことは「ポスト資本主義」「暗黒啓蒙」「新反動主義」「加速主義」といったキーワードで今まで散々議論されてきた内容でしかない。
ピーター・ティールは「ドラッグとメタバースとベーシックインカムがあれば再配分などしなくてもひとは幸せになる」と言ったが、ほとんどSFに近かったこうした世界観も、ChatGPTの登場でぐっと現実味を帯びてきた。
いまは世間的には「生成AIに仕事を奪われるかもしれない」ぐらいの温度感だが、長期的にはもっと違った世界になるはず。ただ、それがどういった世界であれ、責任感が重要なのは変わりないと思う。